バイエル 骨転移ある去勢抵抗性前立腺がん薬ゾーフィゴを新発売 初のアルファ線放出医薬品
公開日時 2016/06/02 03:51
バイエル薬品は6月1日、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん治療薬のゾーフィゴ静注(一般名:塩化ラジウム-233)を同日に新発売したと発表した。国内初のアルファ線を放出する放射性医薬品。進行した去勢抵抗性前立腺がんでは、患者の多くが骨転移しているといい、疼痛、骨折、脊髄圧迫、生存期間に影響するとされる。この骨転移巣に対し、同剤から放出されるアルファ線がDNAの二重鎖切断を誘発し、殺細胞効果を示す。国際共同フェーズ3試験では全生存期間を有意に延長することが確認された。
放射性医薬品のため、ゾーフィゴの流通は日本メジフィジックスが担当する。メジフィジックスは営業支援も行う。
用法・用量は、「通常、成人には1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで、静脈内に緩徐に注射する」。薬価は1回分68万4930円。中医協資料によると、売上はピーク時の7年後で94億円を見込む。
前立腺がんは日本で増加している。15年の発表によると、11年に新たに前立腺がんと診断された男性の患者数は約7万8700例と推計され、これは肺がんを抜いて、胃がんに続く第2位の患者数となる。去勢抵抗性前立腺がんの大半で骨転移を発症する。