ヤンセン 4成分固定用量配合の抗HIV薬を承認申請
公開日時 2019/02/22 03:50
ヤンセンファーマは2月20日、4成分を固定用量で配合した抗HIV薬を日本で承認申請したと発表した。申請は同日付け。予定適応は「HIV-1感染症」で、成人及び小児(12歳以上かつ体重40kg以上)を対象としたもの。この抗HIV薬は、日本の治療ガイドラインで推奨されているレジメンの有効成分を1日1回1錠で内服できる固定用量配合錠で、キードラッグであるプロテアーゼ阻害薬を国内で初めて配合した製剤となる。
同配合錠は、▽プロテアーゼ阻害薬のダルナビル(以下、DRV)800mg▽ブースターのコビシスタット(COBI)150mg▽核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)のエムトリシタビン(FTC)200mg▽NRTIのテノホビル アラフェナミド(TAF)10mg――を含有している。
いずれも日本で既承認の有効成分。DRVとCOBIによる固定用量配合錠はプレジコビックス配合錠として販売され、他の抗HIV薬と併用して使う。FTCとTAFによる固定用量配合錠は日本でデシコビ配合錠として販売され、他のクラスの抗HIV薬と併用して使用されている。
日本の抗HIV治療のガイドラインによると、抗HIV治療未経験の患者に対する推奨レジメンまたは代替レジメンは、バックボーン(=HIV抑制効果がより強力なキードラッグを補足し、ウイルス抑制効果を高める役割を持つ薬剤)であるNRTI2剤に加えて、1剤のキードラッグを3つの薬剤クラス(インテグラーゼ阻害薬、非核酸系逆転写酵素阻害薬、プロテアーゼ阻害薬)から選択して併用する抗レトロウイルス療法とされている。
新規薬剤の登場と併用治療によってウイルス複製の抑制が可能となり、HIV感染患者の生命予後は著しく改善された。ただ、薬物治療だけではHIV感染患者からウイルスを完全に排除できず、生涯治療を継続する必要がある。
なお、COBI、FTC、TAFはギリアド・サイエンシズが開発したもの。ギリアドとのライセンス契約に基づき、日本ではヤンセンが4成分配合錠の開発・商業化権を保有している。