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19年国内製薬トップ年頭所感 産業革命期、ビジネスの革新に決意

公開日時 2019/01/08 03:51

国内製薬企業各社は1月7日までに経営トップの年頭所感を発表し、研究開発型の大手・準大手では、今がAI、ビッグデータの活用など産業革命期にあるとの認識の下、ビジネスの革新に向け決意を示す内容が目立った。

【第一三共】眞鍋淳社長は、「医薬品産業において、AIやIoT、ビッグデータの活用といったデジタル化やICTの革新はスピードを増している。ICT 技術の創薬への活用について第一三共としての方向性を固めたい」と表明。事業面では、最重点のがん領域について19 年度は急性骨髄性白血病治療薬キザルチニブを日米欧で、腱滑膜巨細胞腫治療薬ペキシダルチニブを米国で上市する予定とし「長年にわたる努力がようやく実を結び始める時が来ている」とした。日本では経口抗凝固薬エドキサバンに触れ、「2019年度はいよいよ年間のシェアNo.1 に期待がかかる」と期待を寄せた。その上で「こうした成果を改めて振り返り、自信を持ってイノベーティブ事業を推進していきたい」とした。

【中外製薬】小坂達朗社長CEOは、19年にスタートする新中期経営計画に触れ、「サイエンスと医学の進歩、ビッグデータやAI、IoTなど技術革新が社会や産業構造に劇的な進化をもたらす中で、イノベーションの実現のため、ライフサイエンス・デジタルの進歩を柔軟に取り入れていくことも重要である」との認識を示した。また、がん関連遺伝子の解析システムを12月に承認取得した成果などを上げ、がん領域におけるがんゲノム医療、個別化医療を「オンコロジー領域のNo.1企業として」をけん引していく姿勢を強調した。

【大塚ホールディングス】樋口達夫社長兼CEOは、2030年を見据えた投資を行ったことを挙げ、初年度となる第三次中期経営計画につなげ「予期せぬ変化が生じる社会・政治経済情勢の中、大塚グループは、今後も企業理念の遂行のため、これまで構築してきた事業基盤の下、持続的な成長に向けて邁進する。これからも世界の貢献に貢献する、なくてはならない企業を目指して挑戦しつづける」と表明した。

【田辺三菱製薬】三津家正之社長は、「医薬品のモダリティは急速に広がり、オープンイノベーションの重要性は言を俟たない。ニーズオリエンテッドの観点から、標的モダリティの最適活用を見出し、自社で培ったモノづくりの遺伝子(ノウハウ)と掛け合わせ、医療の未来を切り拓き、社会課題を解決していく」との姿勢を示した。飛躍のためのキーワードとして「Agile with Agility」を掲げ、「失敗を恐れず、小さい単位・短い期間で試行錯誤を繰り返すことで、いち早くゴールにたどり着く。ダイナミックに変化している環境に対し先手を打ち、果敢に挑戦する一年にしたい」と呼びかけた。

【エーザイ】内藤晴夫CEOは、「第4次産業革命と言われる時代において、その中心的課題はデータの利活用である」と指摘した。その上で「データが生み出す価値に改めて着目し、既に取り組み始めている認知症領域、てんかん領域、一部のがん領域においてもエコシステムを構築し、サイエンス、テクノロジーにとどまらない広範なイノベーションを起こすことにチャレンジしていきたい」と、全社挙げて取り組む考えを示した。

【協和発酵キリン】宮本昌志社長は、グローバル・スペシャリティファーマに向けさらなる飛躍することを掲げ、そのためには「環境の変化に応じで皆さん個々人が変化・進化していくことが絶対的に必要。皆さんの個人としての進化がグローバルでシンクロナイズすることで非常に大きな推進力として世界に飛躍させることになる」と呼びかけた。革新的な製品・サービスは、患者や家族に「笑顔」をもたらすことにあると訴えた。

【大日本住友製薬】野村博社長は、日本は新たな時代に入り、新たな中期経営計画を発表する年であることを挙げ「今年は過去の自らを超え、未来に向かって一層優れた会社となる決意をするに相応しい年」と位置づけた。社員に対し「今年を表す漢字として、『超える』に加えて『優れた』という意味を持つ『超』を挙げる。社員には、各人が当社を牽引する気概で仕事に取り組み、昨日の自分を超え、さらに優れた自分になれるよう」求めた。

【塩野義製薬】手代木功社長は、社員に対し「靭」という漢字をメッセージに込めた。同社長は、強いだけでなく、しなやかという意味も持ち合わせ、部首の「革」は改める、改まるという意味があることを説明し、「しなやかに変化し、そして進化しながら必ず生き残り、自ら革め成長していくという思いを込めた」とし、共に成長を歩もうと呼びかけた。

【小野薬品】相良暁社長は、「薬価制度の抜本的改革など、医薬品業界を取り巻く環境が大きく変化しているが、企業理念である『病気と苦痛に対する人間の闘いのために』の下、『変化』をチャンスと捉え、デジタル技術など様々な革新的な技術を活用し、これまで以上に新薬創製に邁進していく」と決意を示した。

なお、今年は武田薬品、アステラス製薬は年頭所感を発表しなかった。

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