田辺三菱 次世代化合物ライブラリー活用で免疫炎症領域の開発に力 中国HitGen社と
公開日時 2018/12/12 03:50
田辺三菱製薬と中国に本社を置くバイオ製薬企業「HitGen,Ltd.」は12月11日、創薬基盤技術の活用で、共同研究契約を締結したと発表した。まずは免疫炎症領域での共同研究を行い、順次領域を広げたい考え。HitGen社の有する次世代化合物ライブラリーの活用で、広範な化合の分析とスクリーニングが可能になるという。田辺三菱製薬は、新薬開発の開発確率を向上させ、探索期間の短縮を狙う。
医薬品は、ターゲットとなる創薬標的分子と結合する化合物である“シード化合物”からスタートし、「ヒット化合物(創薬標的分子に対して活性が認められる化合物)」、「リード化合物(活性が認められ、医薬品として適正な性質を持つ化合物)」となり、開発が進行する。
田辺三菱製薬は、HitGen社の技術を活用することで、創薬標的分子と結合する「シード化合物」のヒット率を向上させたい考え。「リード化合物の取得までの期間を半減できる可能性がある」(田辺三菱製薬広報部)と期待を寄せる。
HitGen社は、独自のDNAタグ付きライブラリーを構築し、3000億種類以上の化合物のなかから、標的タンパク質に結合する低分子化合物を短期間に同定する創薬基盤技術をもつ。ライブラリーの活用により、広範な化学品の分析とスクリーニングが可能となることから、すでに多くの製薬企業が協業している。
今回の契約により、田辺三菱からも複数の創薬標的タンパク質の提供を受け、シード化合物の探索を行う。一方田辺三菱製薬は、研究コストの一部と研究の成果に応じたマイルストンを支払う。