アステラス 新規機序の急性骨髄性白血病治療薬ゾスパタ錠を新発売
公開日時 2018/12/04 03:50
アステラス製薬は12月3日、再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病治療薬ゾスパタ錠40mg(一般名:ギルテリチニブフマル酸塩)を同日に新発売したと発表した。腫瘍の増殖に関与するFLT3を介したシグナル伝達を阻害することで、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている「FLT3阻害薬」と呼称する新規機序の治療薬で、ファーストインクラス薬。投与にあたってはコンパニオン診断薬を用いた検査が必要となる。通常、120mgを1日1回の経口投与で用いる。
薬価は40mg1錠 1万9409.10円、1日薬価は5万8227.30円。
急性骨髄性白血病(AML)は血液と骨髄に影響を及ぼすがんで、加齢とともに患者数が増加する。日本では毎年約5500人が新たにAMLと診断される。AML患者の約30%でFLT3の変異が認められるとされる。ゾスパタはFLT3の活性化変異である、遺伝子内縦列重複変異(ITD)、チロシンキナーゼドメイン変異(TKD)のいずれの変異に対しても阻害活性を示すことで、変異を有する腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられている。
アステラスは、コンパニオン診断薬を用いた検査で患者がFLT3遺伝子変異陽性であることを確認する必要があることについて、「このアプローチは個々の患者さんに最適な治療薬を提供するプレシジョン・メディシンの推進につながるものと考えている」としている。