未来投資会議など合同会議 オンラインで「診療から服薬指導まで一貫体制」の構築を
公開日時 2018/11/27 03:52
政府の未来投資会議、経済財政諮問会議、規制改革推進会議、まち・ひと・しごと創生会議は11月26日に合同会議を開き、「経済政策の方向性に関する中間整理案」を提示した。2019年10月に予定される消費増税に向け、影響緩和や必要な経済対策などについて中間整理を行ったもの。「次世代ヘルスケア」を項目にあげ、2018年4月の診療報酬改定で保険診療での位置づけが明確されたオンライン診療に加え、オンライン服薬指導のさらなる推進を促す考えを示した。オンライン診療からオンライン服薬指導までに至るまでの「一連のプロセスを一貫して受けられる」システムの構築を推進する方針を示した。20年4月実施の診療報酬改定に向けて、オンライン診療料の普及状況を調査した上で、安全性・有効性が確認された疾患について、オンライン診療料の対象に追加することも明記した。
合同会議のまとめた中間整理案では、潜在的成長率の引き上げが持続的な経済成長の実現に向けた重要課題と位置づけた。そのうえで、一人ひとりが生み出す付加価値を引き上げる観点から、人工知能(AI)、センサー、IoT、ロボットといった第4次産業革命による技術革新の活用と生産性向上が不可欠であると指摘し、Society5.0の実現や全世代型社会保障への改革を推進する考えを明示した。
◎都市部でのオンライン服薬指導の試行的実施を実現
次世代ヘルスケアについては「オンライン医療」の推進を掲げた。オンライン診療の実施方法や実施体制等の要件などを見直し、オンライン診療の適切な普及や促進に向けて必要な見直しを実施する方針を打ち出した。
オンライン服薬指導については、現在医薬品医療機器等法(薬機法)改正に向けた議論が進められるが、現在のところ、国家戦略特区内での限られたケースでの運用にとどまっている。今後はバーチャル特区制度を活用し、さらに多くの実証データを集めることに加え、かかりつけ薬剤師など患者目線の観点から、都市部における一部オンライン服薬指導の試行的実施を実現するための検討を開始するとした。
◎複数の医療法人と社会福祉法人の合併・統合を検討
このほか複数の医療法人・社会福祉法人の合併・経営統合についても明記した。人口減少社会の到来に伴い、急性期病院の病床数は減少し、一方で回復期リハ病床やかかりつけ医の需要が今後高まる見通しだ。すでに各都道府県とも地域医療構想をまとめており、2025年に向けて病床数の適正化を図る方針。これに伴い、病院経営の安定化にむけて地域医療連携推進法人などを設立することがすでに認められている。今回の提案は、経営安定化に向けて、医療法人と社会福祉法人それぞれの経営統合を念頭としたもので、運営の共同化を含めて、医療法人と社会福祉法人の連携方策について検討する考えを盛り込んだ。