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厚労省 抗菌薬全体の使用量は減少傾向 AMR対策で

公開日時 2018/10/23 03:51

厚生労働省は薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会に対し10月22日、薬剤耐性(AMR)対策をふまえ、抗菌薬全体の使用量が減少傾向であることを示した。17年の抗菌薬全体の使用量は13.7DID(DDDs/1000inhabitants/day)で、13年と比べ7.8%減少した。薬剤耐性(AMR)は世界的な課題となり、各国で適正使用推進が求められている。国内でも16年4月に薬剤耐性(AMR)対策アクションプランを策定し、2020年までに33%削減するという目標を盛り込んだ。ただ、現時点では到達できておらず、さらなる普及啓発や対策の必要性を示した。

◎大腸菌へのセファロスポリン系・フルオロキノロン系の耐性率増加を問題視

この日の検討会では、「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2018」が報告された。このなかでは腸内細菌科細菌に対するカルバペネムの耐性率の増加が世界各国で問題になっているが、国内では大腸菌、肺炎桿菌におけるカルバペネム系抗菌薬への耐性率は1%未満と低い水準にとどまっているとした。

一方で、大腸菌における第3世代セファロスポリン系抗菌薬、レボフロキサシン(製品名:クラビット)など)フルオロキノロン系抗菌薬への耐性率は増加傾向だ。大腸菌のフルオロキノロン耐性率では、13年の35.5%から15年に38.0%、17年に40.1%—と年々増加傾向をたどっている。報告書では、「特に重点的な対策が必要と考えられる」と指摘した。このほか、MRSAについても「近年減少傾向にあるが、いまだに高い水準にある」と指摘した。

◎注射用抗菌薬は増加傾向


抗菌薬全体に占める経口薬の使用量(17年)は、12.7DID。13年と比べ、▽経口マクロライド系薬は13.5%、▽経口セファロスポリン系薬は14.2%、▽経口フルオロキノロン系薬は9.1%—とそれぞれ減少したが、アクションプランで掲げた50%の削減目標にはいずれも達していない。また、17年の注射用抗菌薬の使用量は1.01DIDで、13年と比べ4.9%増加している。

報告書のとりまとめは2017年に続き2回目。


 

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