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厚労省 アレルギー10か年研究戦略とりまとめ プレシジョン・メディシン実現へ 

公開日時 2018/10/01 03:50

 厚生労働省の免疫アレルギー疾患研究戦略検討会は9月28日、報告書を取りまとめた。報告書では、初めて「免疫アレルギー疾患研究10か年戦略」を策定する。ライフステージに応じて安心して生活できる社会の構築を目指し、個々の患者に応じたプレシジョン・メディシンや、予防的・先制的医療の実現などを推進する。世界に先駆けた医薬品・医療機器などの研究開発を進めたい考え。文言修正を経て年内に最終版として、都道府県や医学会など関係団体等宛てに通知を発出する方針。

アレルギー疾患は、国民の半数が罹患するなかで、研究戦略の推進が求められていた。ビジョンの実現のために、3つの戦略を策定し、それぞれ目標を設定した。3つの戦略は、▽本態解明に関する基盤研究、▽免疫アレルギー研究の効果的な推進と社会の構築に関する横断研究、▽ライフステージ等免疫アレルギー疾患の特性に注目した重点研究-の推進。革新的な医療技術に基づく層別化医療や、予防的・先制的医療の実現に向け、基盤となる基礎研究や疫学研究・臨床研究を推進し、患者数減少とQOL改善を目指すことなどを目標に掲げた。本態解明が進んでいない疾患が多いことなどを踏まえ、数値目標は盛り込まなかった。その上で、アレルギーの病態や患者の生活実態などの「見える化」をキャッチコピーに、アレルギー症状の強さを示す指標づくりや本態解明などに取り組む考え。

対象疾患は、アレルギー対策基本法で規定される気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーの6疾患が中心。薬剤アレルギーや、関節リウマチなども含まれる。戦略の対象期間は10年間のため、中間評価と見直しを行う必要性も盛り込んだ。

厚労省の宇都宮啓健康局長は、「報告書に基づき、速やかに着実に戦略を実行したい」と述べた。

アレルギー疾患対策をめぐっては、2015年にアレルギー疾患対策基本法が施行され、17年にはアレルギー疾患対策基本指針が策定されていた。厚労省では2019年度の概算要求で、免疫アレルギー疾患等実用化研究事業等に8億5000万円を計上している。



 

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