米FDA ファブリー病治療薬Galafoldを承認
公開日時 2018/08/29 03:50
米食品医薬品局(FDA)は、8月10日、米Amicus Therapeutics U.S.Inc社の成人におけるファブリー病治療薬Galafold(ミガーラスタット)を承認した。同剤はファブリー病治療薬初の経口剤。適応は、ミガーラスタットに反応性があると診断された遺伝子変異のある、成人におけるファブリー病。FDAは、同剤について、迅速審査、優先審査および希少疾病薬の指定を行っていた。
同剤の臨床試験における主な副作用は、頭痛、鼻咽頭炎、尿路感染症、悪心及び発熱など。Amicus Therapeutics U.S.Inc社は、ファブリー病、ポンペ病など先天性代謝疾患治療薬の開発に特化したベンチャー企業である。
ファブリー病は、グリボトリアオシルセラミド(GL-3)という脂質を分解するアルファガラクトシダーゼ(αGLA)という酵素の遺伝子変異により引き起こされる遺伝性疾患。αGLAは、正常な活性を持つ場合、脂質を分解するが、欠損などで活性が不十分で脂質が分解されないとGL-3が細胞や組織に蓄積、血管、神経、臓器などの正常な機能を阻害する。
米国では、最も重症とされる古典的ファブリー病は男性4万人に1人、遅発型ファブリー病は、男性1500人から4000人に1人という。発症しやすいのは男性が多いが女性も発症する。ファブリー病では、徐々に進行性腎疾患、心肥大、不整脈、脳卒中などを発症、早死にする。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJulie Beitz医薬品評価第3部長は、「今まで、ファブリー病の治療は、この疾患において、一定の酵素が欠損していることで脂質が蓄積するが、酵素の補充に関わるものだった。Galafoldは、その酵素補充療法とは異なり、身体が欠損している酵素の働きを活発化させるものだ」と同剤の登場を歓迎した。