【World Topics】アマゾンがバーチャル薬局を買収
公開日時 2018/07/19 03:50
6月28日アマゾンがバーチャル薬局PillPack買収を発表。「クリック1つでワンストップ・ショッピング」を標榜する流通大手がついに処方箋薬の販売に乗り出す。
PillPackはボストン基盤のスタートアップ(2013年1月創業)。複数の処方薬を服用しなければならない患者を主たるターゲットとしたオンライン処方薬販売ビジネスだ。
https://www.pillpack.com
月初めに宅配される医薬品は、水薬などを除くすべての薬品がひとまとめに日分け分包され、実物写真のついたわかりやすい解説書が添えられ、服薬管理サービスがビジュアルでわかりやすいと評判。サービス展開、患者とのコミュニケーションなどには独自開発のプラットフォームPharmacyOSを使用。セキュリティも高い。
創業者は薬剤師とエンジニアのコンビで、出会いはMIT の”Hucking Medicine”プログラムであったという。
http://hackingmedicine.mit.edu
米国には毎日5種類以上の処方薬を定期的に服用している患者が3000万人以上(国民の10人に1人)いると言われており、マーケットは巨大。創業5年目ながら、すでにハワイ州を除く49州にサービスを提供しているPillPackの評価は高く、最近ではウォルマートとの買収交渉が注目されていた。
ウォールストリート・ジャーナル紙は、流通ジャイアントのアマゾンが、すでに保有する大量の消費者情報に加え、今後はPillPackを通じて国民の服薬情報から医療情報にもアクセスできるようになると指摘。大手民間企業への情報の集積を懸念している。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
https://www.wsj.com/articles/amazons-pillpack-deal-gives-it-access-to-sensitive-health-data-1530442800