アレクシオン 新規PNH治療薬「ALXN1210」 日本で18年後半に申請へ ソリリス後継品
公開日時 2018/06/26 03:51
アレクシオンファーマはこのほど、新規の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬としてグローバルで開発している長時間作用型抗C5抗体「ALXN1210」について、2018年後半に日本で承認申請する予定と発表した。ALXN1210は自社創製品で、同社が販売中のPNH治療薬ソリリス(一般名:エクリズマブ)の後継品。同社は、ALXN1210をPNH患者の新たな標準治療にするとの目標を掲げている。
ソリリスは2017年に世界で31億ドルを売り上げた同社最主力品。
PNHは慢性かつ進行性の生命を脅かす恐れのある稀な消耗性の血液疾患。免疫系の構成要素である補体の機能が慢性的にコントロールできなくなって溶血(血球破壊)が引き起こされ、その結果、進行性の貧血、疲労、暗色尿、息切れが生じることがある。慢性溶血で最も深刻な結果は血栓症で、血栓症は重要臓器を損傷し、早期死亡に至ることもある。PNH患者の3分の1が診断後5年以上生存できないとの推定もある。平均発症年齢は30代初期。
ALXN1210は免疫系の一部である終末補体カスケードのC5タンパク質を阻害することで作用する。補体カスケードの制御不能な活性化は、PNHなどの重篤な超希少疾患に関与する。補体阻害薬の治療経験がないPNH患者と、ソリリスの治療で安定していたPNH患者を対象としたフェーズ3試験では、8週間隔で静脈内投与するALXN1210は、2週間隔で静脈内投与するソリリスに対して非劣性を示し、全ての主要評価項目と主要な副次評価項目の数値においてもALXN1210で「より好ましい結果になった」としている。