腎疾患対策検討会で報告書 CKD対策で新規透析導入患者数を年間3万5000人以下に
公開日時 2018/06/01 03:50
厚生労働省の「腎疾患対策検討会」は5月31日、慢性腎臓病(CKD)対策などを踏まえ、2028年までに新規透析導入患者数を年間3万5000人以下に減少させる数値目標などを盛り込んだ報告書を取りまとめた。報告書の改訂は10年ぶり。慢性腎臓病の重症化予防の徹底や、患者のQOLの維持向上を目指す。厚労省は、各都道府県宛に6月中に通知を発出し、周知したい考え。
報告書は、高齢化に伴い、患者の増加が予想される腎疾患について、更なる対策の推進を目指す目的で作成された。全体目標として、自覚症状に乏しいCKDを早期に発見・診断し、良質で適切な治療を早期から実施・継続することなどを掲げた。
そのために達成すべき目標として、新規の透析導入患者数の削減や、地域の診療体制の充実、腎疾患の原因となる生活習慣病対策などを盛り込んだ。実施すべき取組みとしては、医療ICTやビッグデータを活用し、地域で慢性腎臓病の診療を担う医師や医療機関同士の情報共有や、研究へ活用するなどとした。
検討会を受け、佐々木昌弘がん・疾病対策課長は、「報告書はさまざまな取り組みのスタートになる。今後、内容を国民全体に周知できるように工夫していきたい」と述べた。