小野薬品とBMS オプジーボで3つの一変申請 体重によらず固定用量での使用など
公開日時 2017/12/26 03:50
小野薬品とブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)は12月22日、がん免疫療法薬オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(一般名:ニボルマブ)について、同日付で3つの一部変更承認申請(一変申請)を行ったと発表した。この中には、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」など既承認の効能・効果について、体重によらず、1回240mgの固定用量で用いるための用法・用量への変更を目的とする一変申請が含まれている。現在は1回3mg/kg(体重)で用いるため、体重換算の手間や残薬問題が指摘されている。
小野薬品広報部は本誌取材に、固定用量の用法・用量が承認された場合、これまでの体重換算の用法・用量では使えなくなるかどうかについて、現時点ではわからないとしている。なお、体重換算、固定用量のいずれも2週間間隔で点滴静注して用いるが、体重換算は「1時間以上かけて」投与する一方、固定用量は「30分以上かけて」投与することになる。
固定用量の申請は、「本剤の母集団薬物動態(PPK)モデル、暴露反応(E-R)モデルおよびこれまでに実施した臨床試験の成績に基づいている」としている。
既承認の効能・効果は、前述の非小細胞肺がんのほかに、▽根治切除不能な悪性黒色腫▽根治切除不能または転移性の腎細胞癌▽再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫▽再発または遠隔転移を有する頭頸部癌▽がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌――の計6つある。
■悪性黒色腫術後補助療法、悪性胸膜中皮腫の適応追加を申請
両社はこの日、悪性黒色腫の術後補助療法と、切除不能な進行または転移性の悪性胸膜中皮腫の適応をそれぞれ追加する一変申請も行った。
悪性黒色腫術後補助療法の申請は、悪性黒色腫の切除後の再発リスクの軽減を目的とするもの。申請に用いた日本を含む国際共同フェーズ3試験では、オプジーボは3mg/kg(2週間ごと)との体重換算で試験を行ったが、小野薬品広報部は本誌に、「(既承認の適応で)今回、並行して固定用量の申請をしており、悪性黒色腫術後補助療法も固定用量で使用できることを期待している」と説明した。
悪性胸膜中皮腫の申請に用いた臨床試験は、1回240mg(2週間ごと)の固定用量で行っており、承認されれば固定用量で使用することになる。なお、厚労省から12月1日に希少疾病用医薬品の指定を受け、優先審査の対象になっている。