米大統領 HHS長官にAlex Azar氏を指名「より安い薬価の星」
公開日時 2017/11/21 03:50
米トランプ大統領は11月13日、Twitterで、HHS(保健福祉省)長官に元副長官のAlex Azar氏を指名したと発表した。「彼は、より良いヘルスケアとより安い薬価の星となるだろう」と述べた。連邦議会上院の承認を経て、正式に就任する。
トランプ大統領は、大統領選挙戦中から薬価高騰問題について発言し、就任後直ちに「医薬品業界はしたい放題」などと厳しく批判した。医薬品業界には厳しく対処する方針を示していたが、今回のTwitterでも、「より安い薬価の星」とAzar氏を呼んだことは、いわゆるオバマケア撤回とともに薬価問題への対応を優先課題としているためと考えられる。
HHSではTom Price前長官が、出張に際し公費で高額のチャーター機を複数回利用していた問題が発覚、今年9月に辞任し、その後、長官代理が務めていた。
Azar氏は、1967年6月生まれの弁護士。2001年から6年間HHSに勤務し、ジョージ W ブッシュ政権下で、Michael Leavitt長官のもとで副長官を歴任。副長官時代はメディケード(公的低所得者保険)、メディケア(公的高齢者保険)などを主に担当した。2007年から10年間、米イーライリリー社に勤務。12年イーライリリーUSA(米国事業部門)社社長に就任。17年1月にイーライリリー社退職。その後、コンサルタント業を自営。
米医薬・医療保険専門誌などは、トランプ大統領は、次期HHS長官には、現・食品医薬品局(FDA)長官のScott Gottlieb氏が医療用オピオイド製剤の乱用防止対策の強化、後発品の審査迅速化・競争促進などの政策を相次いで打ち出し、強烈な存在感を示していた。同氏を指名するのではないかとの期待感が高まっていることを報じていた。しかし、結果的にトランプ大統領は、Gottlieb氏をFDA長官が適材適所とみて、医療保険、公衆衛生、医学薬学振興など守備範囲の広いHHS長官には、メディケードなど医療保険と医薬品業界での実績を持つAzar氏を選んだと見られている。