厚労省 偽造品流通防止で省令改正 一部除き2018年1月31日施行
公開日時 2017/10/06 03:51
厚労省は10月5日、C型肝炎治療薬ハーボニーの偽造品流通問題を受けて、偽造品の流通防止策を盛り込んだ改正省令を公布した。この問題では、譲渡人が虚偽であったことも発覚したことから、卸売販売業者、薬局開設者などに対し、取引相手の身分など適格性の確認を含む譲受・譲渡記録の厳格化などを規定。それらにより偽造品が入り込むことを防ぎ、適正な取引・流通を整備する。施行日は2018年1月31日で、譲受・譲渡記録(同一の薬局開設者等の譲受・譲渡含む)のロット番号、使用期限の記録については、対応に時間がかかるとのパブリックコメントを踏まえて同年7月31日とした。
これは、同省医薬・生活衛生局の「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」が6月にまとめた中間とりまとめで提言された対策を実施に移すもの。そこで、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」、「薬局等構造設備規則」、「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」の一部改正を行った。
卸売販売業や薬局開設者などに課されている医薬品譲受・譲渡時の記録事項については、改正前は授受年月日、氏名、住所等だけだったが、改正により、さらに製品のロット番号(ロットを構成しない医薬品は製造番号)、使用期限、身元の裏付けのための資料等も記録することを定めた。同一の薬局開設者、法人が開設する複数の薬局間における医薬品の譲受・譲渡取引については、業許可を受けた場所ごとに、取引に係る記録(品名、数量、ロット番号、使用期限等)と保存を行うこととした。
偽造品が外箱から取り出された状態で流通したことから、開封された後の医薬品の販売・授与(調剤除く)についても規定。直接の容器・被包への記載事項として、「分割販売される医薬品にあっては、分割販売を行う者の氏名又は名称並びに分割販売を行う薬局、店舗又は営業所の名称及び所在地」を新たに設け、開封した薬局などを明確にすることにした。
偽造品へのすり替えなどを防止するため、薬局、店舗販売業者の店舗、卸売販売業者の営業所の構造設備の基準に規定を新設。医薬品などを貯蔵する区域は、調剤や販売などの他の区域から明確に区別することとした(構造設備規則)。また、貯蔵区域へ立ち入る者は特定しておくこととした(薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令、施行規則)。
薬局開設者が講じなければならない新たな措置として、調剤、販売、授与の業務手順書の作成とそれに基づく業務の実施を明記した。業務手順書の内容について同省医薬・生活衛生局総務課は、今後通知で定めるとしている。