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第一三共 iPS細胞由来心筋シートの阪大発ベンチャー企業に出資

公開日時 2017/08/09 03:50

第一三共は8月7日、iPS細胞由来心筋シートの研究開発・商業化に取り組んでいる大阪大学発ベンチャー企業のクオリプス社(神奈川県横浜市)に出資するとともに、このiPS細胞由来心筋シートの全世界での販売オプション権に関する契約を締結したと発表した。

iPS細胞由来心筋シートは、ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞をシート状に加工した他家細胞治療製品。心臓移植や人工心臓装着以外に有効な治療法がない重症心不全患者の心臓に同製品を移植することで、心機能の改善や心不全状態からの回復などの治療効果が期待されるという。

第一三共グループでは、iPS細胞由来心筋細胞および製造方法に関する研究を行っており、現在、実用化を見据えて効率的な生産技術の開発を進めている。第一三共は、「今後、両社は世界に先駆けたiPS細胞由来心筋シートを用いた重症心不全治療薬の実用化を目指していく」としている。

大阪大大学院医学系研究科心臓血管外科学(澤芳樹教授)では、心臓疾患を対象とした細胞治療研究の最先端の成果をもとに、iPS細胞由来心筋シートの研究開発にAMEDの再生医療実現拠点ネットワークプログラムとして取り組んできた。現在、臨床研究および医師主導治験の開始に向け準備を進めている。クオリプスは阪大の技術・研究成果をベースにiPS細胞由来心筋シートの開発・事業化を図る目的で設立された阪大発ベンチャー企業。

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