米FDA 特許切れ医薬品リスト公表で後発医薬品使用促進促す
公開日時 2017/07/06 03:50
米食品医薬品局(FDA)は6月27日、社会問題化している医薬品価格高騰への対応策として、特許切れ医薬品のリストを公表した。ジェネリック医薬品(GE)の競争促進やGE審査の迅速などをうながす。
リスト公表は、特許切れブランド品やまだANDA(医薬品簡略承認申請)を受理していないブランド品のリストを公開、GE開発を促す試みである。FDAは、患者にいち早く安価な代替品を手元に届けるために今後も競争力強化と透明性確保を図る目的で同リストを定期的に更新する考え。
また、FDAは、GE承認審査に高い優先度を与える方針を決めた。FDAは、GEが3種類(品目)承認されるまでは審査を迅速に行う方針だ。FDAは、FDA承認済みのGEが複数入手できる場合には、消費者がそれらについて有意な価格の値下げを認識したと示すデータに基いて方針を見直す考え。
FDAのScott Gotlieb長官は、「必要とする医薬品の高値を望む患者はいない。公衆衛生を促進する政府機関として、患者が必要とする治療法にアクセスするのを手助けするのが我々の役割である」と述べた。その上で、「安全かつ有効なGEを効率的な方法で市場へ参入させること、我々の業務は常にリスクを考えていること、我々の法規制は新たな競争への障害を作るために使用されてきたのではないこと、これらすべては一層安価な薬剤オプションへのアクセスを確かにするよう手助けするものである」と現行法規制はGEの使用促進を阻害するものではないことを改めて訴えた。
FDAは、GEについての現行承認制度や促進策などへの意見を聴取するために7月18日に公聴会を開催する予定である。
今回の具体策策定の背景には、就任間もないScott Gottlieb長官が、6月21日、「ジェネリック医薬品における競争の障害を除去するために働くFDA」(FDA Working to Lift Barriers to Generic Drug Competition)と題する声明を発表、GE促進により医薬品競争状態を活発化し医薬品価格を下げようという並々ならぬ意欲を持っていることにある。同声明では、具体的な行動計画を策定中だと言明、今回の具体策はその第1弾となった。