PhRMAとEFPIA バイオメディカル時代の適切な価格構築に向け医療全体での議論を

公開日時 2017/05/19 03:50
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米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)は5月18日、合同で記者会見を開き、医薬品の適切な価格構築に向けて、医薬品の価値を考慮し、薬剤費だけでなく医療費全体を見据えて効率化の議論を進めることが必要との見解を示した。その上で、新薬開発への継続的な投資を求めた。PhRMAのパトリック・ジョンソン在日執行委員会委員長は、C型肝炎治療薬が健康寿命を延伸したことを引き合いに、“バイオメディカル”時代の医薬品の価値を強調。「ホリスティック全体的な評価が医療には必要だ」と述べた。EFPIAのオーレ・ムルスコウ・ベック会長も、「医療費の削減は薬剤費の抑制だけでは解決できない。全体的に見て、別の効率化を考えないといけない」との考えを表明。ビッグデータの活用で効率的な医薬品の使用を示すなど、「効率的なヘルスケアの構築に貢献できると思っている」と述べた。
 

◎EFPIA 国内市場は26年度まで年率マイナス1.5% 開発費高騰に危機感


この日の会見は、前日の5月17日の中医協薬価専門部会で、製薬業界側が「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」について陳述を行ったことを踏まえて行われた。

EFPIAが中医協に提出した資料によると、国内の医療用医薬品市場は新薬創出加算の継続、後発医薬品80%目標達成、薬価の毎年改定などの影響を仮定すると、2026年度の国内市場は15年度を起点にみると年率マイナス1.5%の成長になるとの見通しを示した。15年度は、C型肝炎治療薬など革新的な新薬が複数上市されたことで市場が10兆6000億円まで膨らんだが、これをピークに減少に転じ、26年度は9兆円市場になると推計した。


ベック会長は、日本市場は米国、中国に次ぐ、世界第三の巨大市場で、「魅力がないという人はいない」とした上で、日本での研究開発費が他国に比べて2~7倍と高騰していると強調。人件費の高騰も進む中で、「損益分岐点がくる。医薬企業が必ずしも生き残ることはできない」と危機感を露わにした。


医薬品の価格については、「新しいから高い薬価というのではなく、価値をもたらすから高い薬価」とすることの必要性を強調した。ベック会長は、医療費の削減が外科手術の実施、胃潰瘍や胃癌の治療に影響を与えた過去の経緯を振り返り、「薬剤費出は社会へのコストというだけではない」と強調。C型肝炎治療薬など革新的新薬を上市させるためにも、「日本での新規薬剤の開発を世界にに担保するためのエコシステムが必要だ」と述べた。
 

◎外国平均価格調整 ASPやNADAC参照を 経済にあわせた価格許容を


外国平均価格調整についても言及。米英独仏の4か国の薬価を参照する制度だが、米国の薬価を外すことが検討されている。PhRMAのジョンソン在日執行委員会委員長は、改めて「世界一の新薬創出国であり、世界最大の医薬品市場を有していることから、外国価格を参照する国から外すべきではない」と述べた。参照価格としては現在のAWP(一般的に製薬企業の希望小売価格)から、メディケア・メディケイドで償還価格の算定基準として用いられているASP(院内処方薬の医療機関への平均販売額)やNADAC(外来処方薬の調剤薬局による平均購入価格)を参照することを提案した。


価格は、一般的にAWPの7~8割という。一方で、ASPが対象とする医薬品はAWPのカバーする医薬品の約3割に限定されていることや、導入されている州が限定的であるなどの課題も指摘されているところ。米国では、ASPやNADACの価格がない場合には、ASPから一定の値引きした金額を活用している州もあるという。ジョンソン在日執行委員会院長は、「メリットとデメリットがある。こういった議論も厚労省の担当官とオープンに議論する。どうやって緩和できるか考えるべきだ」と主張した。


EFPIAのベック会長も、「参照対象があって、日本国内で同じ薬剤は、欧州、米国というリーズナブルな範囲でおさまっている」との考えを表明。「各国によって経済はバラついている。薬価も国々の差はある程度許容しないといけない」と述べた。マクドナルドは、各国で価格が異なることを引き合いに、先進国である日本に見合った薬価を許容することを求めた。

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