【World Topics】ブルーボタン
公開日時 2017/05/15 03:50
ブルーボタンをご存知だろうか?
患者が自身に関わる医療情報を電子的に閲覧あるいはダウンロードできるサイトのシンボルとして、最近米国で使われ始めているマークである。
https://www.healthit.gov/patients-families/blue-button/about-blue-button
ブルーボタンはオバマ大統領が大規模なEHR推進策を講じるにあたり、システム開発の課題の1つとした「データの有意義な後利用・高活用(meaningful use of data)」をめぐり、いかにして患者自身にデータの電子化の恩恵を享受してもらうかが議論される過程で、患者にわかりやすく且つ使いやすいデータ取得のシンボルマークとして設定された。
2010年に最初にこのブルーボタンをユーザー・ポータルに実装したのはVA System(Veterans Health Administration System) であった。ついで防衛省が、さらに連邦政府の一部がこれを実装し、徐々に民間にも広がりつつある。
HIMSS2017では、連邦政府を中心とする医療情報システムのインタ・オペラビリティ推進プロジェクトが1室に集約的に展示されていたが、それらのプロジェクト参加チーム(民間企業)では、すでにブルーボタンはほぼ常識。患者(ユーザー)のUIにはほぼ確実にこのシンボルマークが実装され、病院からの検査情報をダウンロードしたりする場合に、最後に「ダウンロードする」の承認には「ブルーボタンを押す」というのがプロトコルになっている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)