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大塚HD・16年通期決算 国内医療事業は横ばい 水利尿薬サムスカ、25%薬価下げも2ケタ増収

公開日時 2017/02/15 03:51

大塚ホールディングス(HD)は2月14日、2016年12月期(1~12月)決算を発表し、国内医療関連事業は売上3879億円、前年比0.5%増だった。主力品の抗精神病薬エビリファイや水利尿薬サムスカ、抗がん剤アブラキサン、抗てんかん薬イーケプラで16年4月の薬価改定で市場拡大再算定を受けたものの、それでもサムスカとイーケプラは2ケタ増収するなどして、国内の同事業は前年比横ばいをキープした。17年国内計画をみると、サムスカが売上390億円を計画しており、達成すると、エビリファイを超えて同社で最も売上の大きい製品となる。

サムスカは25%の薬価引き下げを受けたが、16年国内売上は305億円(前年比18.5%増)だった。同社によると、▽経口水利尿薬としての医療現場での価値の訴求が奏功した▽世界初の腎臓の難病である常染色体優性多発性のう疱腎(ADPKD)の治療薬としての理解が拡がり、処方数が伸びた――としている。

エビリファイは15.0%の薬価引き下げの影響で、16年国内売上は317億円(10.8%減)だった。エビリファイの持続性水懸筋注用は売上43億円(221.7%増)で、16年3月の三角筋への投与部位の追加も増収に寄与したという。

イーケプラは15.0%の薬価引き下げを受けたが、16年国内売上は285億円(22.0%増)だった。小児への処方や部分発作単剤療法での処方拡大、点滴静注製剤の追加、強直間代発作の併用療法の適応追加が寄与し、「抗てんかん薬国内市場での売上トップブランドとして堅調にシェアが拡大した」としている。

アブラキサンは16.2%の薬価引き下げを受けたが、16年国内売上は207億円(0.2%増)と横ばいだった。膵がんの処方拡大が寄与したという。

17年の主な申請予定プロジェクトも明らかにした。日本市場では、すでに1月に申請した統合失調症治療薬ブレクスピプラゾール(一般名)のほか、▽大うつを予定適応とする「ASC-01」(一般名:アリピプラゾール・セルトラリン▽アルコール依存症における飲酒量低減を予定適とするオピオイド受容体アンタゴニストのナルメフェン(一般名)ーーを申請する予定。

■16年連結業績 欧米特許切れのエビリファイが7割減収

16年連結業績は売上1兆1955億円(16.2%減)、営業利益1011億円(32.1%減)の2ケタの減収・営業減益だった。エビリファイの欧米での特許切れが大きく影響、同剤の16年の合計売上は954億円(72.5%減)で、額では前年から約2500億円なくなった。16年の米国売上は前年比で約9割減だった。

【連結実績(前年同期比) 17年予想】(IFRS)
売上高 1兆1955億4700万円(16.2%減) 1兆2600億円(5.4%増)
営業利益 1011億4500万円(32.1%減) 1200億円(18.6%増)
経常利益 1166億8000万円(22.4%減) 1190億円(2.0%増)
親会社帰属の純利益 925億6300万円(9.2%減) 850億円(8.2%減)

【主要製品の国内売上(前年同期実績) 17年予想、億円】
エビリファイ 317(356)300
エビリファイメンテナ 43(13)75
プレタール 162(233)125
ムコスタ 82(114)45
ティーエスワン 269(293)210
ユーエフティ 65(75)55
ユーゼル 97(105)70
ロンサーフ 39(33)40
アロキシ 140(129)145
アブラキサン 207(206)205
イーケプラ 285(233)325
サムスカ 305(257)390
ムコスタ点眼液 48(45)50
ニュープロ・パッチ 107(83)125
スプリセル共同事業 293(312)310
ゾシン及びタゾシン(原薬供給) 88(134)55
臨床栄養 867(882)890

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