厚労省 新薬などを承認 キイトルーダに「非小細胞肺がん」適応を追加

公開日時 2016/12/20 03:52
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厚労省は12月19日、新薬のほか、既存薬への適応追加を承認した。この中で、MSDのがん免疫療法薬である抗PD-1抗体キイトルーダに「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応追加を認めた。

キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg(ペムブロリズマブ遺伝子組換え)、MSD):「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間5年10カ月。薬効分類:429。

同剤はがん免疫療法薬で、ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体と呼ばれるもの。T細胞に主に発現する受容体であるPD-1に結合して、腫瘍細胞に発現するリガンドPD-L1との結合を阻害することによって、抗腫瘍免疫応答の阻害を解除する。今回の追加適応の用法・用量は、「1回200mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注する」というもの。類薬のオプジーボと異なり、キイトルーダは固定用量で用いることになる。一定要件を満たす場合は化学療法歴のない患者にも使える。

使用にはPD-L1検査が必須。そのためのコンパニオン診断薬としてアジレント・テクノロジーのPD-L1IHC22C3pharmDX「ダコ」が11月25日に承認されている。これは、同剤で効果が期待される▽腫瘍組織においてPD-L1を発現した腫瘍細胞が占める割合が1%以上の治療歴のある患者▽腫瘍組織においてPD-L1を発現した腫瘍細胞が占める割合が50%以上の未治療の患者――を特定するために用いる。

MSDは同日、今回の追加適応症でファーストライン治療におけるPD-L1高発現の患者を対象に薬価基準収載までの間、同剤を無償提供すると発表した。同剤の治験実施施設で、実薬投与経験があり、薬剤提供を希望し、市販直後調査・全例調査や適正使用推進など各種安全対策への協力することに合意した施設で実施する。

アーウィナーゼ筋注用10000(クリサンタスパーゼ、大原薬品):「急性白血病(慢性白血病の急性転化例を含む)、悪性リンパ腫。ただし、L-アスパラギナーゼ製剤に過敏症を示した場合に限る」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:429。

非大腸菌由来のアスパラギナーゼ製剤。急性リンパ性白血病の最初の治療で用いる大腸菌由来アスパラギナーゼ製剤の投与後に、過敏症が生じた際に用いる第二選択薬との位置づけ。過敏症の既往歴のある患者に対して、海外では非大腸菌由来のアスパラキナーゼ製剤が標準的に用いられる。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」からの開発要請品目。

ジメンシー配合錠(ダクラタスビル塩酸塩/アスナプレビル/ベクラブビル塩酸塩、ブリストル・マイヤーズスクイブ):「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合薬。再審査期間8年。薬効分類:625。

3成分配合のC型肝炎治療薬。1回2錠を1日2回、食後に経口投与する。投与期間は12週間。有効成分のベクラブビルは国内未承認。ダクラタスビルは国内製品名ダクルインザ、アスナプレビルは同スンベプラ。

作用点の異なる3種類の抗ウイルス剤を配合。国内フェーズ3では、未治療、インターフェロン製剤による既治療のジェノタイプ1の患者を対象に同剤を投与したところ、主要評価項目である未治療でジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者におけるジメンシー群のSVR12(投与終了から12週後のHCV RNAが定量下限未満)達成割合は95.9%。また、ジェノタイプ1a/1bのC型慢性肝炎及び代償性肝硬変患者の合計においても95.9%を示した。

パーサビブ静注透析用2.5mg、同5mg、同10mg(エテルカルセチド塩酸塩、小野薬品):「血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:399。

副甲状腺にあるカルシウム受容体に作用して、副甲状腺ホルモンの過剰な分泌を抑制し、血中のリン値及びカルシウム値を低下させる。同種同効の類薬に経口投与のレグパラ錠があるのに対し、パーサビブ静注は透析ルートから投与できるのが特徴。

用法・用量は通常、成人には、1回5mgを開始用量に週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側に注入し、以後は患者を十分観察のもと、1回2.5~15mgの範囲内で適宜用量を調整し、週3回、透析終了時の返血時に投与する。

モゾビル皮下注24mg(プレリキサホル、サノフィ):「自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員促進」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。薬効分類:339。

血液がん治療では抗がん剤を用いた大量化学療法が実施されることがある。その場合、副作用として、血液を作り出す骨髄の機能が抑制されるため、治療後の造血機能及び免疫機能の回復が必要になる。そのため、血液を作るもとになる患者自身の造血幹細胞を事前に採取し、大量化学療法後に患者の体に戻す自家移植が行われる。

しかし、一部の患者では十分量の造血幹細胞を得られず、結果として移植を断念せざるを得ない場合がある。また、十分量の造血幹細胞を収集するのに1日数時間、連日行う必要があり、患者の負担も大きい。同剤は造血幹細胞を骨髄から末梢血へ循環させる「動員」を促進させる働きを持ち、造血幹細胞採取の回数の減少と採取率を向上させる。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」からの開発要請品目。

アミヴィッド静注(フロルベタピル(18F)注射液、富士フイルムRIファーマ):「アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:430。

放射性医薬品。PET検査で、脳内アミロイドベータプラークを可視化するために用いる。アルツハイマー型認知症(以下、AD)の診断的評価を補助する。

リンゼス錠0.25mg(リナクロチド、アステラス製薬):「便秘型過敏性腸症候群」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:239。

グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬。腸粘膜上皮細胞に発現しているグアニル酸シクラーゼ受容体に局所的に結合し、同受容体を活性化することで腸管分泌及び腸管輸送能を促進し、加えて内臓痛覚過敏を改善する。

リアメット配合錠(アルテメテル/ルメファントリン、ノバルティスファーマ):「マラリア」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合薬。再審査期間8年。薬効分類:641。

これまで熱帯病治療薬研究班に所属する医療機関にて使用されてきたが、同研究班から厚労省に開発要望があり、同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て開発要請されていた品目。

ヤーズフレックス配合錠(ドロスピレノン/エチニルエストラジオール ベータデクス、バイエル薬品):「子宮内膜症に伴う疼痛の改善、月経困難症」を効能・効果とする新効能・新用量・剤形追加する医薬品。再審査期間4年。薬効分類:248。

既存のヤーズ配合錠と配合成分と含有量は同じ。違いは、ヤーズ配合錠は実薬24錠とプラセボ4錠からなる計28錠を1シートに包装した薬剤なのに対し、ヤーズフレックス配合錠は実薬28錠を1シートに包装した薬剤。120日連続投与(その後4日休薬)を可能にし、NSAIDsで管理できない子宮内膜症に伴う疼痛に対して、長期投与できる新たな選択肢と位置付ける。月経困難症について、既存利用法と使い分けられる選択肢の一つとなる。

用法・用量は、「1日1錠を経口投与する。24日目までは出血の有無にかかわらず連続投与する。25日目以降に3日連続で出血(点状出血を含む)が認められた場合、又は、連続投与が120日に達した場合は、4日間休薬する。休薬後は出血が終わっているか続いているかにかかわらず、連続投与を開始する。以後、同様に連続投与と休薬を繰り返す」。

オテズラ錠10mg、同錠20mg、同錠30mg(アプレミラスト、セルジーン):「局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。薬効分類:399。

乾癬の経口剤は25年ぶりという。局所療法で不十分な乾癬に対する全身療法の選択肢の一つ。厚労省は同日、妊婦、妊娠している可能性のある女性への投与が禁忌であることを注意喚起する通知を都道府県に発出した。有効成分のアプレミラストが、サリドマイドやポマリドミド等の化学構造を構成しているフタルイミド基を含む化合物であるため。非臨床・臨床試験で催奇形性は認められていないものの、非臨床試験で胚・胎児毒性を有することが示されているとしている。

ベムリディ錠25mg(テノホビル アラフェナミドフマル酸塩、ギリアド・サイエンシズ):「B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間5年10か月。優先審査品目。薬効分類:625。

テノホビルアラフェナミドはテノホビルの経口プロドラッグ。既承認のテノホビルの経口プロドラッグであるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF、日本では「テノゼット錠」としてGSKが販売)と同様の効果を、TDFの10分の1以下の用量で示すことが確認され、TDFの特徴的な有害事象として知られる腎機能障害や骨密度の低下の軽減も期待されている。1日1回経口投与で用いる。

テクフィデラカプセル120mg、同カプセル240mg(フマル酸ジメチル、バイオジェン・ジャパン):「多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。薬効分類:119。

トレアキシン点滴静注用25mg、同100mg(ベンダムスチン塩酸塩、シンバイオ製薬):「低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2020年10月26日まで)。薬効分類:421。

これまでの効能・効果から「再発又は難治性」を削除。これにより、これまでのセカンドラインでの使用から、今回、初回治療から使えるようにした。初回治療での用法・用量は、リツキシマブ(遺伝子組換え)と併用して、ベンダムスチン塩酸塩を90mg/㎡(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、26日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

サインバルタカプセル20mg、同カプセル30mg(デュロキセチン塩酸塩、塩野義製薬):「変形性関節症に伴う疼痛」の効能・効果を追加する新効能医薬品。再審査期間4年。薬効分類:117。

同剤は主にうつ病などに用いられるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)。疼痛関係の適応症では、糖尿病性神経障害に伴う疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛、慢性腰痛症に伴う疼痛に続く4つ目の適応症となる。

SNRIには自殺企図などのリスクが懸念されている。このため、同剤の「慢性腰痛症に伴う疼痛」の適応取得の際に、メーカーに対して精神科などの専門医と連携して使用するといった安全確保対策を求めたが、今回の追加適応である「変形性関節症に伴う疼痛」でも同様の安全対策を促す。

セララ錠25mg、同錠50mg(エプレレノン、ファイザー):「慢性心不全の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間4年。薬効分類:2149。

用法・用量は高血圧症とは異なり、通常、1日1回25mgから投与開始、患者の状態に応じて投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量する。

イラリス皮下注用150mg(カナキヌマブ遺伝子組換え、ノバルティスファーマ):「既存治療で効果不十分な家族性地中海熱、TNF受容体関連周期性症候群、高IgD症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症)」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。薬効分類:399。

家族性地中海熱に対しては、コルヒチンが承認されているが、約1割の患者で抵抗性又は不耐容で、これら患者の治療法は確立していなかった。また、高IgD症候群に対しては初めての治療薬となった。

これら疾患では、炎症性サイトカインのインターロイキン(IL)-1βの過剰産生を原因に、慢性的な炎症反応や進行性の組織障害を引き起こす。同剤は、IL-1βと特異的に結合することで、炎症を抑える。

ヴァクセムヒブ水性懸濁注(沈降ヘモフィルスb型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)、武田薬品):「インフルエンザ菌b型による感染症の予防」において筋肉内注射を追加する。再審査期間は残余(2024年1月21日まで)。薬効分類:631。

リキスミア皮下注300μg(リキシセナチド、サノフィ):効能・効果を「2型糖尿病」とする新効能医薬品。再審査期間は残余(2021年6月27日まで)。薬効分類:249。

今回、併用効能の制限をなくした。GLP-1受容体作動薬。1日1回朝食前に投与。

ヒューマログ注カート、同注ミリオペン(インスリン リスプロ遺伝子組換え)、日本イーライリリー):持続型インスリン製剤と併用する必要があったが、今回、単独投与もできるようにした新用量医薬品。再審査期間なし。薬効分類:249。

献血グロベニン-I静注用500mg、同静注用2500mg、同静注用5000mg(ポリエチレングレコール処理人免疫グロブリンG、日本製薬):「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の運動機能低下(筋力低下の改善が認められた場合)」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。薬効分類:6343。

効能・効果に、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善があるが、継続投与することで運動機能低下の進行を抑えることが分かったため、新たに追加した

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