米FDA 高カリウム血症治療薬Veltassaを承認
公開日時 2015/10/27 03:50
米食品医薬品局(FDA)は10月21日、高カリウム血症治療薬Veltassa(一般名:patiromer)経口懸濁剤を承認したと発表した。同剤は、水と混合して服用する粉末剤。消化管内のカリウムと結合し、その吸収を減少させ、体内から排泄する。
臨床試験における主な副作用は、便秘、低マグネシウム血症、下痢、悪心、腹部不快感など。添付文書には、他の経口剤と結合し、それらの吸収を低下させ効果を低減させる恐れがあるため、他剤との服用には少なくとも6時間以上の間隔をあけるよう枠組み警告が記載された。
同剤を製造する米Relypsa 社(本社;カリフォルニア州レッドウッドシティ)のJohn A Orwin社長兼CEOは、「FDAのVeltassa承認は、献身的な科学者や医師らの約10年に及ぶ研究の成果を示すもので、我が社がしばしば見逃されている、あるいは治療法が十分でない疾患を持った患者に対する、ポリマーをベースとした治療薬開発に関与してきたことの証しである」とコメントした。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のNorman Stockbridge心血管・腎製品部長は、「血中の過剰なカリウムは、危険な、時には致命的な不整脈を引き起こす可能性を持つ。患者が高カリウム血症の新たな治療オプションを持てることは重要なことだ」と同剤の登場を歓迎した。
腎臓は、体内のカルシウムの適正なバランスを維持するために血中からカルシウムを除去しているが、腎臓の働きが低下することによりカリウムを十分に除去できずに、血中のカリウム濃度が高すぎる場合を高カリウム血症という。高カリウム血症は、急性もしくは慢性腎疾患あるいは心不全の患者などに発症する。特に、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害剤を服用している患者で発症しやすい。