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医療保険制度改革関連法案 参院本会議 与党賛成多数で可決・成立

公開日時 2015/05/28 03:50

参議院本会議は5月27日、医療保険制度改革関連法案の採決を行い、自民・公明などの賛成多数で、可決、成立した。同法案は、国民健康保険の財政支援の拡充による医療保険制度財政基盤の安定化や負担の公平化などを柱に、地域包括ケアの実現を目的とした医療費適正化策の推進や患者申出療養の実施を盛り込んだ。


法案では2015年度から国民健康保険の財政支援を拡充。低所得者への財政支援を皮切りに、17年度以降は年間約3400億円を拡充する。国保の財政運営の主体責任は、18年度から都道府県が担う。国保の財政運営の主体となることで、都道府県が策定する地域医療構想や地域医療計画の実効性を高め、地域包括ケアの実現を目指す。一方、特定機能病院などの大病院では、紹介状をもたずに受診した患者に対して定額負担を導入することも盛り込んだ。現在は、大病院の外来に、軽症な患者も集中しがちな現状があるが、これにより、各医療機関が地域医療で担う役割を明確化し、医療機関の機能分化を図る。


医療提供体制の構築でも都道府県は大きな役割を担うことになる。16年度から地域医療構想と整合的な医療費適正化計画を作成し、地域住民の予防・健康づくりを促進する。現行のKPI(重要評価指標)を見直し、特定健診・保健指導実施率や平均在院日数に加え、後発医薬品の使用割合効率的な医療提供体制、地域包括ケアシステムの構築を評価指標に加える。


予防・健康づくりについては、インセンティブを強化する。加入者が健康診断の受診や歩数・体重の記録など、健康づくりに取り組んだ場合は、保険者からヘルスケアポイントを付与する。一方で、保険者に対しては、指標の達成状況に応じて最大10%まで段階的に減算する仕組みとなる。


そのほか、法案には▽入院時の食事代について調理費が含まれるよう段階的引き上げ、▽健康保険料の算定の基礎となる標準報酬月額の上限引き上げ、▽協会けんぽの国保補助率を当分の間16.4%と定めるとともに、法定準備金を超える準備金にかかわる国庫補助額の特例的な減額措置の実施、▽被保険者の所得水準の高い健保組合の国庫補助率を所得水準に応じた補助率へと見直し、▽患者申出療養の創設––が盛り込まれている。
なお、同法案の正式名称は、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案。

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