アステラス 前立腺がん治療薬エンザルタミドP3 化学療法未施行患者で良好な結果
公開日時 2013/10/24 03:50
アステラス製薬は10月22日、前立腺がん治療薬の経口アンドロゲン受容体阻害薬エンザルタミド(開発コード:MDV3100)について、アンドロゲン療法が無効な化学療法未施行の転移性前立腺がん患者を対象とした国際フェーズ3(P3)の中間解析で良好な結果が得られたと発表した。同薬は米国で2012年8月に、欧州では13年4月に化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺がんの適応で承認取得済み。今回の結果を受け、化学療法施行歴のない患者での申請を目指す。一方、日本では化学療法施行歴のある患者を対象とした国際P3や未施行の患者による国内P1および施行歴のある患者の国内P2データから「前立腺がん」の適応で5月に申請している。
化学療法未施行患者を対象とした国際P3であるPREVAIL試験は、日本を含むアジアや欧米などで実施された。エンザルタミド投与群とプラセボ群が二重盲検で比較され、既定のイベント数に達したため中間解析が行われた。その結果、エンザルタミド群では有意に全生存期間が延長し、死亡リスクが30%低下(P<0.0001)したほか、画像診断による増悪または死亡リスクは81%低下(P<0.0001)した。治験薬が投与された1715例のうち2例で痙攣発作が発現しているが、詳細な安全性データの解析は盲検化を解除した後に実施される予定。独立データモニタリング委員会は、結果を総合的に判断し、試験の早期終了およびプラセボ群の患者へエンザルタミドを推奨するように勧告した。
エンザルタミドは1日1回投与タイプの経口薬で、前立腺がんの発症や進行にかかわるアンドロゲン受容体シグナル伝達を複数の作用で阻害する。