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第一三共 骨粗しょう症治療薬プラリア皮下注を新発売 6カ月に1回投与の抗体医薬

公開日時 2013/06/12 05:02

第一三共は6月11日、骨粗しょう症治療薬プラリア皮下注60mg(一般名:デノスマブ)を同日から発売したと発表した。プラリアは骨粗鬆症治療薬では初の抗体医薬で、6カ月に1回皮下投与する。薬価は60mg1mL1筒2万8482円。

 

プラリアは、骨吸収に必須のメディエーターであるRANKLを特異的に阻害する抗体製剤。同じ骨吸収抑作用のあるビスフォスフォネート製剤や選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)との併用は行わない。プラセボとの盲検比較が行われた国内フェーズ3では、2年間の椎体骨折累積発生率がプラセボ群の10.3%に比べて実薬群では3.6%と、統計学的に有意な骨折抑制効果を示した。

 

プラリアに先行して12年4月に同成分のランマーク皮下注が発売されている。多発性骨髄腫による骨病変および固形がん骨転移による骨病変の適応で、用量は骨粗しょう症治療薬の倍にあたる120mg。発売後に死亡例を含む重篤な低Ca血症の発生が報告され、同社はこの2月にデノスマブ投与時の低カルシウム血症の治療および予防を目的としたカルシウム/天然型ビタミンD3/マグネシウム配合剤(デノタスチュアブル配合錠)の販売を開始した。

 

骨粗しょう症の開発におけるP3では全例にカルシウムとビタミンDが投与されており、副作用の低Ca血症の発現率は881例中7例(0.8%)にとどまった。添付文書の使用上の注意には、患者の状態や検査値に応じてカルシウムおよびビタミンDを補充することが明記されている。

 

同社は今回骨粗しょう症領域に新規参入することになるが、消炎・鎮痛剤ロキソニンや、整形外科領域の術後血栓症予防で使用される抗凝固薬リクシアナなどで整形外科領域にも強い営業基盤がある。プラリアの情報提供には2300人のMRうち2000人があたり、適正使用を推進するという。6カ月に1回の皮下注製剤のため、次回投与日を記載する「患者用投薬時期お知らせカード」も配布する予定(写真右下)。

 

なお、デノスマブの開発パイプラインを見ると、P3に乳がん術後補助療法、P2に関節リウマチと骨巨細胞腫がある。

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