ASCO・press cast PI3Kδ阻害剤idelalisib 再発/治療抵抗性CLLで高い忍容性と活性示す P1で

公開日時 2013/05/22 05:00
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経口治療薬のPI3Kデルタ(PI3Kδ)阻害剤・idelalisib(開発番号:GS-1101)が、再発/治療抵抗性慢性リンパ性白血病(CLL)において、高い忍容性と、高い活性を示すことが分かった。同剤の臨床第1相試験の結果から示された。現在すでに、リツキシマブまたはベンダムスチン+リツキシマブとの併用下においての安全性・有効性を検討する臨床第3相試験が進行中であることも明らかにされた。Dana-Farber Cancer InstituteのJenifer R. Brown氏が、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次会議に先立って開催された“May 15 Presscast”で15日(米国EST)、報告した。(医学ライター/リポーター 中西美荷)


CLLでは、B細胞受容体のPI3K/Aktシグナル経路における、PI3Kのアイソフォーム(アミノ酸配列が異なるサブタイプ)の1つPI3Kδが、過剰に活性化されている。Idelalisib(GS-1101)は、PI3Kδを特異的に阻害し、セカンドメッセンジャーPIP3の産生を阻害することによって、PI3K/Aktシグナル経路の活性化を防ぎ、結果的に、腫瘍細胞の増殖と生存を阻害する。


◎奏効率は56% 反応も迅速に


臨床第1相試験は、既治療の血液悪性疾患患者を対象に実施されており、今回は、このうち再発/治療抵抗性CLL患者54例(女性9例、男性45例)の治療、成績が報告された。idelalisib 50-350mgを1日2回、28日サイクルで48週間にわたって毎日投与した。投与期間は9(0-41+)カ月(中央値)。

対象患者の平均年齢は63(37-82)歳(中央値)で、既治療数が5(中央値)、直近のレジメンに対して治療抵抗性の患者を70%含む、高リスクの患者群だった。

有害事象として肝機能検査値上昇、下痢、発赤などが報告されたが、対処可能だった。有害事象のための治療中断は15%だったが、治療に関連すると考えられたのは、このうち7%で、忍容性は良好だった。

奏効率(CR:完全奏効+PR:部分奏効)は56%、(CR:2例、PR:28例)だった。

PR28例は、Hallek(2008)の基準に該当したものが22例、Cheson(2012)の基準に該当したものが6例だった。最初の反応までの時間は1.9(0.9-12.9)カ月(中央値)と迅速で、PFSは17.1カ月(中央値)だった。リンパ節病変の縮小(病変の二方向積和(SPD)の50%以上の減少)は44/54例で認められた。血球減少も、血小板減少の79%(27例/34例)、ヘモグロビン減少の(貧血)68%(17/25例)、好中球減少は全例(15/15例)で改善が認められた。

PI3K/Akt経路の活性化を示すpAkt308を測定した27例のデータでは、idelalisib投与8日、28日において、正常B細胞のレベルにまで有意(p<0.0001)に低下しており、標的であるPI3K/Akt経路を阻害していることも確認された。

結果を報告したBrown氏は、「画期的新薬であるPI3Kδ阻害剤idelalisibは治療抵抗性で高リスクのCLL患者において、高い臨床活性と良好な安全性プロフィールを示した」と結論づけた。

ASCO会長のSandra M. Swain氏は、「この試験は、腫瘍のバイオロジー(生物学)を理解することで、高い活性を有する有望な標的治療薬の開発が可能になることを証明している」と指摘。「慢性血液がんにおいて、化学療法なしの、シンプルで効果的な、かつ患者のQOLを改善することのできる新たな治療法が実現する可能性を垣間見せる試験でもあった」と意義を評価した。
 

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