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複数チャネルで薬剤情報収集する医師増加 情報入手後の次の行動「何もしない」が減少 MCI DIGITAL

公開日時 2025/09/03 04:52
この1年半の間に、複数チャネルをまたいで薬剤情報を収集する医師が増えた――。このような医師調査結果を製薬デジタルマーケティング支援会社のMCI DIGITALがまとめた。医師が興味深い薬剤情報を最初にMRやデジタルチャネルから入手した後の、次の情報収集行動を調べたところ、「特に何もしない」との医師の割合が減少していた。例えば最初の情報源が「MR」→次に「特に何もしない」は23.0%(25年4月調査、23年10月調査:28.9%)といった具合だ。最初の情報源が「医療系ポータルサイト」や「Web講演会」でも同様の傾向が確認できた。医師が複数チャネルを用いて薬剤情報を収集することは一層定着したといえそうだ。

文末の「関連ファイル」に、医師の薬剤情報入手後の次の行動をまとめた資料を掲載しました(ミクスOnlineの有料会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。

◎最初の情報入手先 1位は「医療系ポータルサイト」28.7% 2位は「MR」26.8%

MCI DIGITALが四半期に1回まとめている「医師版デジタルマーケティング白書2025年夏号」(25年4月調査)から、医師の薬剤情報入手後の次の行動に関する調査結果を見てみた。同白書の調査対象者は、製薬企業サイトやその他医療関係企業サイトを閲覧している医師。25年夏号の有効回答医師数は5163人(HP:3871人、GP:1292人)。

まず、医師に「薬剤に関する興味深い情報は、どこから最初に入手することが多いか」と質問し、▽MR、▽Web講演会、▽製薬企業サイト、▽医療系ポータルサイト、▽その他――を挙げて、合計が100%になるように回答を求めた。

その結果、最初に情報を入手するチャネル(情報源)は、僅差ではあるものの1位が「医療系ポータルサイト」(28.7%)で、2位が「MR」(26.8%)となった。3位は「Web講演会」(24.1%)、4位は「製薬企業サイト」(12.2%)だった。「医療系ポータルサイト」、「Web講演会」、「製薬企業サイト」のデジタルチャネルが最初の情報源との割合は65%となる。

◎「医療系ポータルサイト」→「Web講演会」が多く 23年10月調査比3.2pt増

興味深い薬剤情報を入手した後に、どういった行動をとることが多いかを質問したところ、最初に「医療系ポータルサイト」で情報を入手した医師では、次に「Web講演会」で確認するとの医師が32.0%と最も多く、「MR」に確認するが27.1%、「製薬企業サイト」で確認するが25.7%、「特に何もしない」が21.4%――となった。

ここで、今回の25年4月調査結果を1年半前の23年10月調査結果と比較すると、「医療系ポータルサイト」で入手した情報を、次に「Web講演会」で確認するとの医師割合は3.2ポイント増、「MR」に確認するは3.6ポイント増、「製薬企業サイト」で確認するは3.0ポイント増――といずれも増加していた。一方で、「特に何もしない」は7.2ポイント減少していた。

◎「MR」から情報入手 次は「製薬企業サイト」で確認が33.4%、23年10月調査比1.7pt増

同様に、最初に「MR」から情報を入手した医師の次の行動を見てみると、次に「製薬企業サイト」で確認するとの医師が33.4%と最も多く、23年10月調査からも1.7ポイント伸びていた。「MR」から得た情報を、次に「Web講演会」で確認する医師は29.8%(23年10月調査比3.1ポイント増)、「医療系ポータルサイト」で確認する医師は29.6%(同2.9ポイント増)――と増加していた。一方、「MR」から情報を入手したあと、次の行動として「特に何もしない」との医師は23.0%(同5.9ポイント減)と減少した。

◎「Web講演会」→「医療系ポータルサイト」で確認が38.7% 「MR」に確認は29.8%

最初に「Web講演会」で情報を入手した医師では、次に「医療系ポータルサイト」で確認する医師は38.7%(同3.5ポイント増)、「MR」に確認する医師は29.8%(同4.8ポイント増)、「製薬企業サイト」で確認する医師は22.6%(同1.6ポイント増)、「特に何もしない」との医師は18.3%(同7.0ポイント減)――だった。

最初に「製薬企業サイト」で情報を入手した医師でも、次に「医療系ポータルサイト」で確認するが32.3%(同1.4ポイント増)、「MR」に確認するが31.5%(同3.2ポイント増)、「Web講演会」で確認するが28.4%(同2.0ポイント増)、「特に何もしない」は19.2%(同5.2ポイント減)――だった。

最初の情報入手チャネルに関わらず、その次に別の情報チャネルを用いて入手情報を確認する医師が増え、「特に何もしない」との医師が減ったことがわかる。MCI DIGITALは、「製薬企業がオムニチャネルマーケティングの取組みを強化し、結果として、医師が複数チャネルをまたいで情報収集することがしやすくなったことも、今回の結果に表れたのではないか」と分析している。

◎新薬処方に積極的な医師 多くが「MR」から情報入手、次に「製薬企業サイト」で確認

このほか、新薬処方に積極的な医師と慎重な医師で、最初に薬剤情報を入手するチャネルや、その次の行動に違いがあることも確認できた。

新薬処方に積極的な医師(=新薬を進んで採用・処方する医師)の場合、最初に情報を入手するチャネルの1位は「MR」(38.4%)で、2位の「Web講演会」(22.6%)に15ポイント以上の差をつけた。

最初に「MR」から情報を得た新薬処方に積極的な医師の次の行動は、「製薬企業サイト」で確認するが最多の40.7%にのぼった。「Web講演会」で確認するは34.6%、「医療系ポータルサイト」で確認するは27.9%となった。新薬処方に積極的な医師では、次々と製薬企業発の情報にアクセスするシーンが浮かぶ。「MR」から情報を得て、次に「特に何もしない」との医師は17.6%にとどまった。

◎デジタルチャネルで情報入手 4割以上の医師が次に「MR」に確認

「Web講演会」、「医療系ポータルサイト」、「製薬企業サイト」といったデジタルチャネルで最初に情報を得た新薬処方に積極的な医師の4割以上は、次に「MR」に確認することもわかった。このうち「製薬企業サイト」で最初に情報を得た医師では、次に「MR」に確認するが5割近くにのぼった。

なお、新薬処方に対する考え方が、「治療へのメリットを確認した後」、「他の医師の経験を参考にした後」、「広く一般に処方後」と新薬処方に慎重な医師ほど、最初に情報を入手するチャネルが「医療系ポータルサイト」になり、「MR」から最初に入手することが少なくなる傾向も確認できた。さらに新薬処方に慎重な医師ほど、最初に情報を得た次の行動として「特に何もしない」が増え、複数チャネルで情報を入手することをあまりしなくなる傾向もみられた。
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