ネオクリティケア製薬 東京地裁に準自己破産を申請 負債総額は44億円 6期連続赤字で資金繰りが限界に
公開日時 2025/09/09 04:50
ネオクリティケア製薬は9月5日、東京地裁に準自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。同社は、前身の共和クリティケア時代の2020年7月にソフトバッグ製剤の製造工程における環境モニタリングに不備が確認され、製品の自主回収と3か月の製造ライン停止を余儀なくされていた。その後、2020年10月に社名を変更。品質体制の再構築と経営体制の刷新による信頼回復を目指したが、25年3月期の当期純損失が約7億4600万円、6期連続の最終赤字で資金繰りが限界に達し、事業継続を断念した。負債は25年3月期末時点で約44億7100万円。
同社は1941年創業。輸液・注射剤である血液代用剤、糖類剤、ビタミン剤などの製造・販売を行っていた。2005年の改正薬事法の施行以降は大手製薬メーカーからの受託製造が拡大、2018年3月期には売上高約63億8000万円を計上。この間、経営体制の変遷により商号変更を繰り返し、2019年9月にはNeopharma LLC傘下のneo ALA(株)の完全子会社となる。
◎ソフトバッグ製剤の製造工程における環境モニタリングに不備確認 2020年7月
帝国データバンクの倒産速報によると、2020年7月の社内調査でソフトバッグ製剤の製造工程における環境モニタリングに不備が確認され、製品の自主回収と3カ月の製造ライン停止を余儀なくされた。その後、製剤ラインの稼働を再開し、品質体制の再構築と経営体制の刷新による信頼回復を目指したものの、ソフトバックの代替品対応などで収益は大きく悪化。2021年3月期は売上高約43億円に対し、最終損失約22億200万円を計上していた。
◎一部輸液の生産停止、他社に製造販売継承、期間満了前の委託契約解除など相次ぐ
その後、一部の輸液における生産停止、他社への製造販売継承、得意先からの期間満了前の委託契約解除などで製造品目の見直しを迫られる。一方でNeopharma LLCによる金融スキャンダルの影響から資金を調達できず、資金繰りへの注目も集まっていた。
2024年11月にはNeopharma LLCのグループから外れ事業の再建に取り組んだが、一部製品の生産中止や原材料の調達難などから2025年3月期の売上高は約30億1600万円となる一方で、当期純損失は約7億4600万円と6期連続の最終赤字となり、資金繰りが限界に達し事業継続を断念した。