CKD適応もつフォシーガとジャディアンス 「使用感」実感する医師、両剤とも1万人超え 最多を記録
公開日時 2025/07/31 04:52
「医師の使用感評価」や「患者の声」といったノンプロモーション系情報チャネルによって想起された製品ランキングで、慢性腎臓病(CKD)の適応を持つSGLT2阻害薬のフォシーガとジャディアンスの想起医師数が伸びている。特に“使用感”をきっかけに想起した医師が増加。2025年4月調査では、「医師の使用感評価」による想起医師数は両剤とも1万人を超え、最多を記録した。両剤とも腎保護のエビデンスが示されているなか、実臨床において、“尿蛋白の減少”や“eGFRスロープの低下が緩やかになる”といった目に見える効果を実感する医師が増えているとみられる。
この調査結果は、インテージヘルスケアが提供する医師約1万人を対象に情報チャネルごとの製品想起状況などをトラッキングする「SOC(=Share of Channels)」によるもの。SOCは、主に「MR活動」、「講演会」、自社サイトやサードパーティによる情報発信を指す「eマーケティング」で構成するプロモーション系情報チャネルによる製品想起と、主に「医師の使用感評価」(以下、使用感評価)、「患者の声」、「学会ガイドライン」のプッシュ型ではないノンプロモーション系情報チャネルによる製品想起の状況が把握できる。同調査は1月、4月、7月、10月に実施している。
◎フォシーガ 「使用感評価」の想起医師数1万900人 全体の60%近く占める
今回、ノンプロモーション系情報チャネルの調査結果を見てみた。最新の25年4月調査では、フォシーガ(アストラゼネカ/小野薬品)のノンプロモーション系情報チャネルによる想起医師数は、前回1月調査から約1000人増の1万8500人(拡大推計、100人未満切捨て)となった。想起医師数ランキングは2位で、前回から1つ順位を上げた。
チャネル別にみると、同剤の想起医師数全体の60%近くが「使用感評価」をきっかけに想起されており、「使用感評価」による想起医師数は約1100人増の1万900人となった。同剤は「MR活動」や「講演会」などのプロモーション系情報チャネルによる想起医師数ランキングで4月に4期連続1位を記録し、積極的なプロモーション活動などを受けて新規処方や処方増に至った医師も多い。今回の「使用感評価」の調査結果から、医師の処方感が積み上がっている状況にあると分析でき、MRにはフォローアップ活動がより重要になるといえそうだ。
◎ジャディアンス 「使用感評価」の想起医師数、1万人の大台に 前回調査比約1700人増
ジャディアンス(日本ベーリンガーインゲルハイム/日本イーライリリー)の4月のノンプロモーション系情報チャネルによる想起医師数は、約1600人増の1万6000人だった。想起ランキングは前回と同じく6位。チャネル別では、「使用感評価」で約1700人増の1万200人に想起され、同剤はこのチャネルによる想起医師数で初めて1万人の大台にのった。
ジャディアンスもプロモーション系情報チャネルによる想起医師数が増えており、想起医師数ランキングは4月にフォシーガに次ぐ2位につけた。特に「MR活動」による想起医師数は1位で、処方につながるケースも少なくないとみられる。ジャディアンスもフォシーガと同じく医師の処方感が積み上がっており、フォローアップ活動のウェートをより高める必要がありそうだ。
なお、4月のノンプロモーション系情報チャネルによる製品想起トップ10製品と推計想起医師数(100人未満切捨て)は以下の通り。前回調査は1月。製品名の「*」は今回トップ10入りした製品のこと。
1位(前回1位)
エンレスト 想起医師数2万2400人
2位(3位)
フォシーガ 想起医師数1万8500人
3位(4位)
デエビゴ 想起医師数1万7800人
4位(2位)
タケキャブ 想起医師数1万7700人
5位(12位)
ビラノア* 想起医師数1万7100人
6位(6位)
ジャディアンス 想起医師数1万6000人
7位(5位)
マンジャロ 想起医師数1万5900人
8位(7位)
タリージェ 想起医師数1万3600人
9位(22位)
アレジオン* 想起医師数1万2600人
10位(8位)
カロナール 想起医師数1万1600人
このうちエンレストは、22年10月調査から11期連続1位を記録。想起医師数は前回調査から約1500人減ったものの唯一、2万人以上に想起された。
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