帝人 ヘルスケア事業の23年度上期は減収減益 フェブリクの後発品参入響く 収益改善へ営業所再編も
公開日時 2023/11/08 04:49
帝人は11月6日、医療用医薬品を含むヘルスケアセグメントの2023年度第2四半期の売上高が前年同期比9.3%減の707億円、営業利益は46.4%減の82億円で減収減益だったと発表した。主力品の痛風・高尿酸血症治療剤フェブリクが後発品参入で前年同期比60.5%減となった影響を吸収できなかった。収益改善に向けた改革を進める中で、昨年10月には本社営業統括部門の統合や営業所の再編を行ったことも明らかにした。MR数は維持しているという。
代表取締役社長は「医薬品と在宅医療の事業の統合で重複した機能や非効率な部分を見直した」と説明した。
◎営業統括部門を11部門から7部門に再編「最終的には集積性改善の一部を構成」
同社は2月に、帝人グループ全体の収益性改善に向けた改革を発表。「必要な機能別リソースをゼロベースで見直し、23年度に抜本的な固定費削減の実行に目途を付ける」としており、営業統括部門の見直しに着手した。具体的には、医薬品事業と在宅医療事業を統合し、営業統括部門を11部門から7部門に再編し、一部を地域包括ケア事業部門に組み入れた。国内18支店の体制は維持しつつ、営業所の一部は統合した。内川社長は「今年の収益へのインパクトとしては大きくないが、最終的には収益性改善の一部を構成している」と述べた。
また、既存の事業基盤を活かし、希少疾患や難病に注力するビジネスモデルへと転換する方針を示していた。内川社長は、希少疾患や難病の製品導入に向けて、「導入元との交渉を計画通りに進めている」と述べ、順調であることを強調した。
◎フェブリク 60.5%減の売上高41億円
23年度第2四半期決算の減収減益の要因として、同社の売上を牽引するフェブリクは22年6月に後発品が参入。前年同期比60.5%減の売上高41億円で大幅減となった。甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍などの治療剤ソマチュリンが前年同期比7.1%増の30億円、上肢・下肢痙縮治療剤ゼオマインが前年同期比25%増の10億円となるなど伸長したが、フェブリクの減収を吸収できなかった。
帝人ヘルスケアセグメント
【23年度第2四半期業績(前年同期比)、通期予想(前年同期比)】
売上高 707億円(9.3%減) 1400億円(7.0%減)
営業利益 82億円(46.4%減) 165億円(34.5%減)
※23年度より新事業組織について「ヘルスケア」から「その他」へセグメント区分を変更。それに伴い22年度情報は変更前のセグメント区分に組み替えた数値で表示。
【23年度第2四半期国内主要製品売上(前年同期実績)、億円】
フェブリク 41(104)
糖尿病治療薬4製品合計 121(131)
ネシーナ 59(65)
イニシンク 36(38)
リオベル 15(19)
ザファテック 11(10)
ボナロン 32(36)
ソマチュリン 30(28)
ベニロン 28(21)
ロコア 9(10)
ゼオマイン 10(8)
ムコソルバン 9(8)