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参天製薬・23年度上期決算 海外事業2桁成長で業績牽引 通期予想も2度目の上方修正を発表

公開日時 2023/11/08 04:48
参天製薬が11月7日に発表した23年度第2四半期決算は、海外事業が成長ドライバーとなり、売上収益は前年同期比13.1%増の1458億円、コア営業利益は同91.7%増の315億円となった。通期業績予想も国内主要製品の伸長を見込み、9月20日の修正予想に続き再び上方修正を発表した。この日の会見で伊藤毅代表取締役社長兼CEOは、「再成長に向けた筋肉質な組織体制の構築が順調に進み、その成果を業績にも反映できた」と振り返った。

売上収益増加の主な要因は、前年同期比30%増となった海外事業。為替影響だけでなく、中国市場のCOVID-19からの回復や、欧州での主力製品の伸長が後押しした。また、国内市場での競争力強化で主力製品の売上も好調に推移。網膜疾患治療剤・アイリーア硝子体内注射液や抗アレルギー点眼剤・アレジオン点眼液など主力製品の通期予想を大幅に見直したことから、全体の売上収益や利益も9月に続き2度目の上方修正となった。

◎構造改革は「おおむね完了」 25年度までに150億円規模の収益改善効果「見えてきた」

参天製薬が4月に発表した新中期経営計画のレビューでは、収益性の改善に向けた構造改革を進めていることが報告された。具体的には人員体制の再構築やコストの最適化が順調に進んでおり、伊藤社長は、「構造改革についてはおおむね完了した。23年度に100億円規模、25年度までに150億円規模の収益改善効果が見えてきた」と前向きな見通しを示した。

なお、構造改革のうち、米州事業の合理化では9月末までの半年間で事業部門を中心に90人から10人に削減し、大幅な赤字縮小につながるとした。伊藤社長は、「米州事業の合理化は当初よりも大きな規模で、かつ早く進んだ。今後は今までの製品よりもさらに競争力のある製品をテコに、また米国を収益の要素に加えていきたい」と述べた。

【23年度第2四半期連結業績(前年同期比) 通期予想(前年同期比)】
売上高 1458億600万円(13.1%増) 3020億円(8.2%増)
コア営業利益 315億3300万円(91.7%) 580億円(31.1%増)

【23年度第2四半期主要製品国内売上高(前年同期比) 通期予想、億円】
コソプト配合点眼液 21(16.2%減)39
タプロス点眼液 34(15.0%減)63
タプコム配合点眼液 13(7.6%減)22
トルソプト点眼液 5(12.2%減)9
エイベリス点眼液 21(11.0%増)44
ジクアス点眼液 103(52.7%増)209
ヒアレイン点眼液 26(10.6%減)50
アレジオン点眼液 65(17.3%減)302
アイリーア硝子体内注射液 368(2.7%増)738
クラビット点眼液 6(11.9%減)12
レンティス コンフォート 7(2.5%増)14
プリザーフロマイクロシャント 3(―)5
一般用医薬品 54(5.9%増)101
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