住友ファーマ 開発中のDSP-3905 AlphaNaviが全世界の開発・製造・販売に関するオプション権行使
公開日時 2023/10/26 04:48
住友ファーマは10月25日、神経障害性疼痛を対象に開発中のDSP-3905について、AlphaNavi Pharmaが全世界における開発・製造・販売に関する権利の許諾を受けるオプション権を行使したと発表した。AlphaNavi社は、京都大学イノベーションキャピタルの支援を受けて2019年1月に設立したベンチャー企業。住友ファーマからカーブアウトした。今回のオプション権行使に伴い同社はAlphaNavi社から対価を得るほか、同剤の開発の進捗に応じた開発マイルストンおよび売上収益に応じた販売ロイヤリティを受け取る可能性がある。
今回のオプション権行使は2019年3月に両社が締結した、住友ファーマが神経障害性疼痛を対象に開発していたDSP-2230(現開発コード:ANP-230)の開発・製造・販売に関するライセンス契約に基づくもの。AlphaNavi社は現在、ANP-230 をナトリウムチャネルの異常に伴う小児四肢疼痛発作症、末梢性神経障害性疼痛を予定適応症としてフェーズ2 試験を実施している。
一方、DSP-3905は、住友ファーマが創製した電位依存性ナトリウムチャンネルNav1.7選択的アンタゴニスト。同剤の阻害様式から神経が過剰に興奮している疼痛時に強い鎮痛作用を示す。また、既存の神経障害性疼痛治療薬でみられる中枢神経系や心臓系の副作用が、同剤では末梢神経に発現するNav1.7 に高い選択性を示すため、副作用を起こしにくいと期待されている。なお、米国において神経障害性疼痛を対象にフェーズ1試験を終了している。