TXP Medical 製薬企業向け「Patient Journeyサービス」を提供 医療データで診断と治療戦略を定量化
公開日時 2023/09/20 04:50
医療データサービスを提供するTXP Medicalは9月19日、製薬企業向けに新たな「Patient Journeyサービス」を開始したと発表した。電子カルテ(EMR)データの活用によって診断と治療戦略を定量化し、これまで定性調査の医師の印象や記憶ベースで形成されていた患者体験、医療提供の側面を明らかにするというもの。すでに救急・腎臓領域で大手外資系製薬企業とプロジェクトを実施した。
営業・マーケティング分野のデジタル化が進展する中で、製薬各社も「患者中心」の医療を実現する手段として、予防・診断・治療・予後といった「Patient Journey」(ペイシェント・ジャーニー)に基づくマーケットアクセスを推し進める動きが活発化している。特に、患者体験を重視する「カスタマー・エクスペリエンス(CX)」への注目度も高まっているところだ。
こうした社会的な背景を踏まえ、TXP Medicalは医療データと領域専門医による深い洞察を製薬企業に提供する新たなサービスの提供を開始した。具体的には、定性調査を補完、あるいは定性調査のベースとなるデータドリブンなPatient Journeyを提供する。また、正確なPatient Journeyを把握することで、これまで以上の確度の高い意思決定が可能となり、これまで分かりにくかった病院内の診療の流れを可視化する。さらに、調査結果をベースにTXP Medicalの医師とのグループワークを通じ、医療者と患者の相互理解を深める活動を支援することも想定している。
同社医療データ事業部の佐藤雅和氏(婦人科腫瘍専門医、弁理士、個人情報保護士)は、「同サービスは製薬企業が患者中心のケアに取り組む上で重要なマイルストーンで、以前は見えなかった医師と患者の課題を明らかにした。専門医によるEMR(Electronic Medical Record)データ分析によるデータドリブンなPatient Journeyを提供することで、より包括的で効果的な患者ケアに貢献する」と強調した。