武田薬品の岩﨑真人代表取締役日本管掌は６月28日の株主総会で退任挨拶を行った。岩﨑氏は、「少子高齢化、そして最近では、経済安全保障の観点からも、私ども製薬会社が果たさなければならない使命は確実に変わってきており、そのためには、グローバル化が必須な要素の一つになっている」と表明。「今の武田があってこそ、次の240年も社会から必要とされる会社であり続けると思っている」と述べた。

◎「少しでも良い会社になれるのか、妥協せずに追求してきた」

岩﨑氏は武田薬品入社からの38年間、取締役のメンバーとしての10年を振り返り、「私の武田での日々を振り返って、自ら誇れることを一つ挙げさせていただくとすれば、その時々の私の役割が何であっても、どうすればこの会社ができるだけ多くの患者様にとって、従業員にとって、そして、あらゆるステークホルダーの皆様方にとって、少しでも良い会社になれるのか、妥協せずに追求してきたことだと思う」と述べた。

そのうえで、「初めてこの場に来させていただいた15年前を振り返ってみると、日本の医薬品業界全体に日本にフォーカスを当てていれば事業は成り立つと、皆さん信じていましたし、市場もそのような環境であったと思う。しかし、少子高齢化、そして最近では、経済安全保障の観点からも、私ども製薬会社が果たさなければならない使命は確実に変わってきており、そのためには、グローバル化が必須な要素の一つになっている。武田はそれを見越して、早くからグローバル化の舵を取り、クリストフ・ウェバーCEOのリーダーシップのもと、今の姿になったことを心から光栄に思いますし、今の武田があってこそ、次の240年も社会から必要とされる会社であり続けると思っている」と述べた。

◎古田未来乃JPBUプレジデント「世界の製薬業界を牽引するグローバルカンパニーだ」

岩﨑氏の退任に伴って、日本カントリー・ヘッドを兼任する古田未来乃・ジャパンファーマビジネスユニット（JPBU）プレジデントは、「武田薬品は日本で生まれ、世界の製薬業界を牽引するグローバルカンパニーだ。武田薬品を武田薬品たらしめる、日本が産んだ企業文化は世界中の武田を支えている。その日本で、各部門の強固な連携を保ち、引き続き社会に価値をお届けするとともに、株主の皆様の信頼と期待に応えるべく全力を尽くす」と述べた。