日本ケミファ 22年度は営業損失2億円 原価率上昇、大型後発品4成分の出荷一時停止などで
公開日時 2023/05/15 04:50
日本ケミファは5月12日、2023年3月期(22年度)は2億4100万円の営業損失となったと発表した。売上は315億5900万円(前年度比2.9%減)だった。約10%の薬価改定影響を受けて原価率が上昇したほか、ドネペジル塩酸塩など大型の後発品4成分で22年12月以降、出荷一時停止とその後の出荷調整が継続したことなどが響き、厳しい業績となった。23年度も医療用医薬品事業は減収予想だが、臨床検査薬の拡大などを見込み、連結業績は増収・営業黒字と予想した。
後発品市場の供給不足に応えるため、同社グループも22年度に増産体制整備に努めた。しかし、生産関連人員の確保が計画通りに進まず、他社への製造委託品を含め、見込んでいた製造数量が確保できず、出荷調整が継続的に発生した。さらに22年12月には、「製造工程上の確認事項」のため、▽ドネペジル塩酸塩▽ラベプラゾール▽ピオグリタゾン▽ロサルタン――の4成分の後発品が出荷停止となった。出荷停止は23年1月5日に解除したが、4月初旬まで出荷調整が続き、22年度業績に影響した。
23年度連結業績は売上327億円(3.6%増)、営業利益2億円と予想した。医療用医薬品事業は売上258億7000万円(1.1%減)と減収予想。23年4月の薬価改定で約8%のマイナス影響を受けたほか、増産に向けた人員採用も継続中ということが影響する。ただ、臨床検査薬の主力製品であるアレルギースクリーニング機器・試薬「ドロップ・スクリーン」は増産体制を整え、国内普及が引き続き拡大すると見込み、連結業績は増収・営業黒字化するとしている。
【22年度連結業績(前年同期比) 23年度予想(前年同期比)】
売上高 315億5900万円(2.9%減) 327億円
営業利益 △2億4100万円(-) 2億円
親会社帰属純利益 3億3900万円(51.6%減) 6000万円(82.3%減)