インタラクティブS ChatGPTと「iRolePlay」を融合 MRは面談直後のアイスブレイクで医師と関係構築
公開日時 2023/04/21 04:51
インタラクティブソリューションズ(関根潔代表取締役)は4月20日、ChatGPTと同社の自主トレアプリ「iRolePlay」を融合させた対話型AI会話プログラムを開発したと発表した。5月10日からサービス提供を開始する。MRの自己学習を想定したもので、医師との関係性構築に主眼を置き、面談直後のアイスブレイクを経て、製品説明、クロージングまでを一気通貫のロールプレイで自己学習できるツールを開発した。iPhoneやiPadにも対応しており、自宅や外出先で、ちょっと空いた時間に手軽に学習できるというのも特徴の一つだ。
MR:「先生ご無沙汰しております。札幌の学会は如何でしたか?」
AI医師(ChatGPT):「札幌の内科学会は充実していましたよ。新しい話題に触れることもでき勉強になりました」
MR:「弊社のブースにもお立ち寄りいただけましたでしょうか」
AI医師(ChatGPT):「はい、もちろんです!私も興味を持っていた◎◎◎◎錠のコーナーには立ち寄らせて頂きました。詳細な説明をしていただき、ありがとうございました」
MR:「先生は論文などもお読みいただいたと思いますが、何かご不明点などありますでしょうか」
AI医師(ChatGPT):「最近の◎◎◎◎錠の臨床研究に関する論文を詳しく読ませて頂いたので、特に質問はありません。しかし、この新薬はどのような患者さんに適した薬剤なのでしょうか?少し疑問に思っています」
◎「デュアルAI」を活用した対話型AI会話プログラムを活用
上記は「デュアルAI」を活用した対話型AI会話プログラムにより、すべて音声形式で行ったMRによる自己学習の一コマだ。アイスブレイクから製品説明に入るまでに医師とMRの間で想定される会話にChatGPTを取り入れた。同社によると、「会話内容がChatGPT側に知られるのではというセキュリティ上の危惧もあり、ビジネスシーンでどこまで使えるのか判断の分かれるところ」との見解を示しながらも、「ChatGPTと独自開発AIにそれぞれの役割を持たせ、切り替えを行うことでこれらの課題をクリアした」と話してくれた。また、セキュリティに関しては機密情報が外部に共有されない仕様になっているとした。
デジタル時代の情報提供・収集活動において、MRに求められる役割は、医師や医療者との信頼関係の構築だ。コロナ禍で医師との面談機会が減少する中で、医師とリアルでの関係構築が希薄になっており、これを克服する面談直後のアイスブレイクはMRにとっても重要なスキルとなっている。同社は、今まで実現が難しいとされていた商談冒頭のアイスブレイクを可能としたことで、「速やかな顧客との関係性構築を支援し、クロージングまでを最速化できる」と強調した。
◎AI医師が「なるほど」、「分かった」と答えるとゲームクリア
「デュアルAI」を活用した対話型AI会話プログラムを活用した自己学習では、MRがアプリに話しかけると、AI医師が即座に反応。製品に関するロールプレイにおいては、AI医師が「なるほど」、「分かった」と答えるとゲームクリア(成功)、「忙しい」と答えるとゲームオーバーとなるなどゲーム感覚を取り入れたことも特徴の一つ。同社によると、既に大手製薬企業数社への導入が決定しており、製薬企業以外の損保・生保業界などからの引き合いもあり、様々な営業職種への展開も視野に入れているとした。導入目標については、今後1年で20社への導入を見込むとした。