アステラス製薬は４月11日、腎性貧血治療薬エベレンゾの販売計画見直しなどで、2022年度第4四半期（23年１～3月）に減損損失約580億円を計上すると発表した。23年３月期（22年度）通期業績予想は当初の増益から一転して減益となり、純利益は15％減の1050億円（当初：1500億円）、営業利益も12％減の1370億円（同・1950億円）。なお、売上高は18％増の１兆5290億円に据え置いた。

腎性貧血治療薬・エベレンゾについては、日本や欧州などの販売状況を勘案し、計画を見直した結果、無形資産の減損損失約450億円を計上する。

19年に米・Frequency Therapeutics, Inc.と米国を除く全世界における独占的ライセンス契約を締結し、感音難聴患者を対象として開発を進めていた「FX-322」の開発中止も決定。臨床試験ではプラセボとの有意差が示せず、主要評価項目を達成できなかった。関連する無形資産の減損損失86億円を計上する。

米・Adaptimmune Therapeutics plc. とがんを対象とした、多能性幹細胞由来の他家T細胞医療製品の共同開発・商業化に関する契約も解約。関連する無形資産の減損損失46億円を計上する。