スターコネクト（水本洋志代表取締役）は4月11日、「ＭＲ向け新規事業開発研修プログラム」を開発し、CSO事業を手掛けるシミック・アッシュフィールドが導入したと発表した。プログラムは、営業現場で感じた課題から”本気”で新規事業創出を目指そうとするＭＲを対象に、現場で感じた課題を「企画に落とし込む」ための流れや、必要な「知識・スキル」、会社を越えた「つながり・行動の場」を提供することで、現場から変革を起こせる人材の育成を目指す。研修の第一弾として、2日間の「MRのための新規事業開発集中講座」をシミック側に提供した。

ＭＲを取り巻く環境は、新型コロナを境に大きく変化している。製薬企業の情報発信はデジタルとリアルを組み合わせたオムニチャネルによる医療従事者へのアプローチが主流となってきた。一方で業界環境に目を移すと毎年薬価改定や自社開発パイプラインの枯渇、さらにはＭＲをターゲットにした早期退職制度の導入など、ＭＲが抱く不安も日々高まっている。さらにコロナ禍の長期化により、MR自身が医療現場で感じた「課題を形にする場」の存在は限定的で、現場から変革を起こすようなスキルをMR自身が身に着ける機会も多くないという。

◎研修プログラム　2日間の集中講座と３か月の伴走プログラム

同社は、こうした環境変化を捉え、MR自身が課題解決するためのアクションや新規事業を実際の計画に落とし込める「ＭＲ向け新規事業開発研修プログラム」を開発した。プログラムは、①2日間の集中講座、②３か月の伴走プログラム－に分かれている。まず、2日間の集中講座では、Step1（サービスコンセプト）として、アイデアブレスト、評価、評価結果のまとめ―などに取り組む。続くStep2（ビジネスコンセプト）では、ビジネスモデルの作成、ビジネスコンセプトの作成、壁打ち・メンタリング―などを行う。この２つのStepを2日間の集中講座で実施するというものだ。

次のStep3（ビジネスプランニング）では、3か月間の伴走プログラムとして、実際の事業計画に落とし込むまでのプロセスを学ぶことになる。起業家講座、収益計画・KPI作成、事業計画作成などの講座が用意され、社内起業家を育成する実践的なプログラムを用意している。

◎スターコネクト・水本代表取締役　”課題”を”企画”に落とし込む方法論　そしてアイデアを“カタチ”に

水本氏は本誌に対し、「現場で顧客と対峙しているＭＲだからこそ、業界の多くの課題に直面し、“自分に何か出来る事は無いだろうか？”と日々、「モヤモヤ」を感じることも多いと思う。2日間の集中講座では、”課題”を”企画”に落とし込むための方法論を集中的に学び、“現場から変革を起こせる人材”を目指す」と説明した。また、３か月の伴走プログラムについては、「新規事業開発は、自分一人で考えるのには限界がある。会社を越えた仲間・メンターと共に、アイデアを“カタチ”にする、実践型のプログラムを通じ、“業界の当たり前”を打破するサービスを検討する」と強調した。

◎シミック・口山本部長　日ごろ経験することのない新しい学びとして非常に満足度が高い

シミック・アッシュフィールドの口山欣男・事業開発・マーケティング本部本部長は、「製薬業界の中で医療現場に触れているのはＭＲに他ならず様々な課題を感じている。現場発のビジネスを発展させることは、医療・製薬業界の発展に貢献できるだけでなく、当社の独自性にもつながると考えた」と強調。「実際の研修では、インプットとグループワークを繰り返すことで、参加したＭＲがそれぞれ自身の感じている課題から新規事業を開発するプロセスを学んでおり、日ごろ経験することのない新しい学びとして非常に満足度の高いものだった」と述べた。