グローバルヘルス技術振興基金（GHIT Fund）は3月13日、新たなマラリア治療薬の研究開発に約2.6億円の投資を決定したと発表した。塩野義製薬、長崎大学ならびにMedicines for Malaria Venture（MMV）の新規マラリア治療薬の創出プロジェクトに約1.3億、武田薬品とMMV の新規マラリア治療薬の合成研究に約1.3 億の投資を行うというもの。このほか同時期に第一三共RDノバーレとThe Global Alliance for TB Drug Development(TB Alliance)の結核のスクリーニングプログラムにも約1500万円の投資を実施した。

塩野義製薬、長崎大学、MMVの新規マラリア治療薬の創出プロジェクト「新規マラリア治療薬創出を目指したHit-to-Lead 研究」は、フェノタイプスクリーニングによって得られた5つのヒット化合物群について構造活性相関研究を実施し、既知の薬剤耐性マラリア原虫に対する有効性が期待でき、MMVのearly lead criteriaを満たすリード化合物創出を目的とする。展開性の高い化合物群にフォーカスして、さらなる薬理活性の向上と化合物の特徴付けを行い、マウスを用いたin vivo 試験で有効性を確認する。

一方、武田薬品とMMVの「薬剤耐性を誘導しない新規マラリア治療薬の合成研究」は、新規マラリア治療薬（TCP-1）候補化合物の創出を目指すもの。ベンズイミダゾール系化合物から更なる構造最適化を実施してMMV が設定する基準を満たすリード化合物を見出し、リード最適化段階へと進むことを目標とする。

◎51件のプロジェクトが進行中　累積投資金額は約287 億円　

GHIT Fundは現在、51 件のプロジェクトが進行している。内訳は、2標的・探索研究25件、非臨床試験14件、1臨床試験12件。これまでの累積投資金額は約287 億円となる。