サスメド 不眠障害治療用アプリの承認取得 保険適用と上市に向けて準備進める
公開日時 2023/02/17 04:50
サスメドは2月15日、不眠障害治療に用いるアプリ「サスメド Med CBT-i 不眠障害用アプリ」の医療機器製造販売承認を同日付で取得したと発表した。一般的名称は「不眠障害用プログラム」。同社は今後、保険適用と上市に向けて準備を進める。同アプリを日本で独占的に販売する塩野義製薬との提携契約に基づき、サスメドは塩野義製薬から承認に関するマイルストン4億円を受領する予定。
◎使用目的又は効果は「医師が行う認知行動療法の支援」に
同アプリの使用目的又は効果は、「不眠障害の治療において、医師が行う認知行動療法の支援を行う」となった。同アプリの承認可否を審議した2022年12月の厚労省の薬食審・プログラム医療機器調査会では、当初の使用目的又は効果の書きぶりを一部修正し、同アプリは不眠障害治療の“補助”や“支援”に用いるものであるとの位置付けを明確することを条件に、承認が了承されていた。当初は「不眠障害の治療を目的に認知行動療法を行う」となっていた。
◎治療期間は9週間
日本で不眠障害に対して広く実施されている治療法は薬物療法だが、欧米では医薬品に依存しない認知行動療法(以下、CBT-I)を不眠障害治療の第一選択として推奨している。日本にも「睡眠薬の適正な使用と休薬のための治療ガイドライン-出口を見据えた不眠医療マニュアル-」があり、できるだけ早期からCBT-Iなどの心理的・行動的介入も活用することが推奨されているが、普及していない。このため同アプリは薬物治療への依存を減らしたい不眠障害治療を可能とすることを目的に開発された。
同アプリは、▽睡眠衛生指導、▽睡眠表(睡眠日誌)、▽睡眠時間制限療法、▽刺激制御療法、▽認知療法――の5つで構成され、治療期間は9週間となる。
患者は同アプリの中で、7日間の睡眠衛生指導及び睡眠表の実施後、8週間のCBT-Iと、週1回の不眠状態の検査であるアテネ不眠尺度(以下、AIS)及び目標就寝時間と目標起床時間の設定を行う。基本的には患者に毎日朝夕に行ってもらう振り返りで、睡眠はどうだったか、1日をどう過ごしたかなどを入力してもらうとともに、週1回AISのテストを行い、目標就寝時間と起床時間の再設定を繰り返すことになる。患者が入力した情報は管理システムのデータベースに保存される。
医療従事者は、7日間の睡眠衛生指導及び睡眠表の実施後、必要に応じて同アプリでの治療要否を確認する。同アプリの9週間の治療後は自動的に振り返りなどの入力ができなくなり、9週目以降にアプリを起動すると、治療期間が終了した旨が表示される。