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アキュリスファーマ 睡眠のデジタルバイオマーカー特定へ ウェアラブルデバイス活用の探索的研究開始

公開日時 2023/01/25 04:50
アキュリスファーマ(綱場一成代表取締役社長兼CEO)とヘルステック企業の「Four H」(小塩篤史代表取締役)は1月24日、ナルコレプシーや閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者を対象にウェアラブルデバイスを活用した探索的研究を開始したと発表した。探索的研究では、治験に参加する被験者の主観的評価に加え、ウェアラブルデバイスを着用することで睡眠、活動、心拍等のデータを取得、解析することで睡眠に関するデジタルバイオマーカーの特定を目指す。

探索的研究の主なプログラムは、①ナルコレプシー、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の客観的疾患理解、特徴(睡眠の状況、日中の眠気など)、②患者の主観的評価とウェアラブルデバイスで取得した客観的データを照合したAI等を用いた解析、③今後の治験・臨床における妥当性・信頼性の高いデジタルバイオマーカー指標の生成-をあげている。

◎包括的な睡眠エコシステム構築を

患者の睡眠状況の客観的理解、日中の眠気パターン分析、症状のない人との比較による睡眠・日中データの特徴抽出、日中の眠気発生の予兆検出などがアウトカムとして期待される。また、睡眠関連疾患を抱える患者の特徴的な睡眠のパターンは、客観的・経時的に把握することが難しく、患者自身の記憶と感覚に大きく依存するため、適切な診断と治療には様々な困難がある。このため、今回の探索的研究では、患者ひとり一人の睡眠リズムの実態や生活パターンなどを把握することで、長期的には、疾患リスクの検知や眠気の予兆検知を通じたQOL(生活の質)や生産性改善にも応用できるデジタルバイオマーカー指標の生成に期待を寄せる。さらに患者背景や治療目的に応じた個別化医療や、在宅でも可能な質の高い疾患管理の実現など包括的な睡眠エコシステムの構築を目指したい考えだ。

◎ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬pitolisantの国内第3相試験開始を発表

なお、アキュリスファーマは元ノバルティスファーマ社長の綱場一成氏が社長兼CEOを務め、神経・精神疾患領域における革新的な治療薬の開発と商業化を目的に2021年1月に設立された。同社は、ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬pitolisantについて、持続陽圧呼吸(CPAP)療法による治療を行っているものの、OSASに伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象とした国内第3相臨床試験を開始したことも同日、発表した。
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