富士フイルム富山化学 アビガンの新型コロナを対象とした開発中止 申請取り下げ
公開日時 2022/10/17 04:50
富士フイルム富山化学は10月14日、抗インフルエンザウイルス薬・アビガン錠(一般名:ファビピラビル)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象疾患とする開発を中止すると発表した。現在、新型コロナの効能追加に係る一変申請を行っているが、この申請は取り下げる。追加で実施していた国内臨床第3相試験で組み入れた84例のデータを解析した結果、「有意な結果が得られていない」ことが明らかとなり、今回の結論に至った。
アビガンの新型コロナの効能追加をめぐっては、20年12月に開かれた薬食審・医薬品第二部会で単盲検試験で有効性を評価することに疑義の声があがり、継続審議となった。そして同社は21年に、ワクチン非接種の新型コロナ患者に対するアビガンの重症化抑制効果の確認を目的に、目標症例数316例とした新たな国内臨床第3相試験を開始。しかし、ワクチン接種率の向上や従来株と比べて重症化率が低いオミクロン株の流行といった環境変化を踏まえ、22年3月に84例で被験者の組み入れを終了し、データ解析していた。