帝人は10月5日、入退院調整業務支援サービスを提供する「３Sunny（スリーサニー）社」の全株式を取得し、100％子会社化すると発表した。同社とスリーサニー社は2020年10月に資本・業務提携契約を結んでおり、今回の株式譲渡契約により医療・介護間の地域における連携効率化でさらに貢献できると判断した。帝人側は医薬品と在宅医療を事業の両輪に据えている。同社は、「これまで培ってきたユニークな事業基盤と地域に密着した営業体制により、地域密着型総合ヘルスケアサービスのプロバイダーを目指したい」と強調した。

◎帝人との資本業務提携後、ケアブックの利用病院数は10倍　東京・大阪で約3割の病院で採用

スリーサニー社は、「医療介護のあらゆるシーンを、技術と仕組みで支え続ける」をミッションに掲げ、入退院調整業務の支援サービス「CAREBOOK（ケアブック）」の提供を通じて、誰もが安心して医療・介護を受けることのできる社会の実現を目指した事業を展開してきた。また、帝人とは20年秋に資本業務提携を締結し、帝人の経営資源を最大限活用することで、病院にとどまらず、介護事業者などに幅広くサービス展開できるようになり、利用病院数は10倍以上、東京と大阪の病院総数の約3割に採用されるまでに成長していた。

今後は、帝人が培ってきた医療従事者との強固なネットワークを活用し、病院との連携機会が多い介護施設などの事業者への導入も拡大させる方針。さらに、「ケアブック」を起点として帝人の既存製品やサービスを組み合わせた新しいビジネスモデルをスルーサニー社がハブとなって創出し、住み慣れた地域で安心して医療・介護を受けられる社会実現を目指す。