Meiji Seika ファルマ 米企業の新型コロナの次世代mRNAワクチン「ARCT‐154」、国内導入で協議
公開日時 2022/08/26 04:51
Meiji Seika ファルマは8月25日、米国の製薬企業・アークトゥルス セラピューティクス社が開発中の新型コロナウイルス感染症に対する次世代mRNAワクチン「ARCT-154」(開発コード)について、国内導入に向けた協議を進めていると発表した。Meiji Seika ファルマは日本における独占的な開発・販売権の取得を目指している。
ARCT-154はレプリコンワクチンと呼ばれるもので、接種後に抗原タンパクをコードするmRNAが細胞内で複製され、持続的に抗原タンパクがつくられるワクチン。接種量が少なく、ワクチンの効果が長く持続することが期待されている。ARCT-154はこれまでに、オミクロン株などの変異株に対しても有効性が期待できるデータが示されている。
Meiji Seika ファルマによると、ARCT-154は日本では開発されておらず、少なくともベトナムで承認申請段階にある。
アークトゥルスは2013年に設立された米国を拠点とする製薬企業で、後期臨床ステージの感染症用ワクチンをはじめ、肝臓や呼吸器の希少疾患に有効なmRNA医薬品の研究開発を行っている。
◎国内生産・供給体制も協議 生産はアルカリス社の南相馬工場を予定
Meiji Seika ファルマはこの日、ARCT-154の国内導入を見込んで、mRNA医薬品・ワクチンの受託開発製造事業(CDMO事業)を行うアルカリス社(本社:千葉県柏市)と連携し、ARCT-154を早期に国内生産・供給できる体制を構築するための協議も進めていることを明らかにした。アルカリスはmRNA医薬品製造工場を2023年に福島県南相馬市に建設予定で、ARCT-154の国内生産は南相馬工場で行うことを想定している。
アルカリスは、主要株主のアークトゥルスとアクセリードが共同で設立したmRNA医薬品CDMO。アークトゥルスの開発パイプラインの製造拠点としての責任を果たしつつ、世界中の製薬会社、創薬ベンチャー、アカデミアなど幅広い顧客に高品質のmRNA医薬品の安定供給を約束する世界初の統合型mRNA医薬品CDMOを目指している。
南相馬市に建設中の工場は、現行の医薬品適正製造基準(cGMP)を満たした最先端の製造管理、品質管理システムを備え、日米欧を中心とした全世界を対象にmRNA医薬品の受託製造を行う予定としている。