DeNA 医療ICTベンチャー・アルムの子会社化で基本契約書締結 医療分野のDX化で相乗効果を期待
公開日時 2022/05/26 04:50
ディー・エヌ・エー(DeNA)は5月25日の取締役会で、医療ICTベンチャーであるアルムの子会社化で基本契約書を締結したと発表した。同社は、アルムを傘下に置くことでヘルスケア事業におけるヘルスビッグデータ戦略をはじめ、同社事業との相乗効果の創出に積極的に取り組み、社会課題領域の収益基盤の強化を図りたい考え。6月30日開催予定のアルムの臨時株主総会とその後の取締役会を経て正式決定する。なお、DeNAの⼤井潤取締役がアルムの代表取締役となる⾒通しで、現代表取締役社長の坂野哲平氏と共同代表に就任する予定。
アルムは、2016年に⽇本で初めて保険診療の適⽤が認められたプログラム医療機器「Join」(汎⽤画像診断装置⽤プログラム)を開発したことで一躍有名となった。すでにJoinは地域の救急医療の領域を中心に中核病院約470の医療機関に導入された。海外でも約30か国で展開し、国内外あわせて約1100の医療機関で採用されている。また近年では、新型コロナウイルス感染症対策において、同社の「MySOS(パーソナルヘルスレコードアプリ)」が厚⽣労働省⼊国者健康確認センターに⼊国者健康居所確認アプリとして採⽤されている。さらに、「Team(地域包括ケアアプリ)」が⾃治体に陽性者の療養管理システムとして採⽤されるなど、急性期医療から感染症対策に事業領域を拡大していた。
DeNAはアルムの子会社化について、「これまで培ってきたコミュニティマネージメントやセキュリティ等のテクノロジーや、事業企画・開発⼒・渉外⼒などを活かしたい」と強調。例えば、遠隔診療分野ではSOMPO Light Vortexと、グローバル展開は三井物産と、スマートシティ分野では⻄武ホールディングスとなど、「他の株主やパートナーと協⼒し、同社の成⻑を加速する」としている。
◎アルム・坂野社長「更なる臨床現場へのイノベーション、ビジネス⾰新」に期待
一方、アルムの坂野哲平代表取締役社⻑は、「DeNAグループの技術・経営基盤を軸に更なる臨床現場へのイノベーション、ビジネス⾰新をグローバルにもたらせるものと確信している」とコメントした。