Meiji Seikaファルマは4月22日、BiPSEE（東京都渋谷区）と「うつ病治療ＶＲ製品」の事業化推進に関する業務提携契約を締結したと発表した。ＶＲ（バーチャル・リアリティ）を用いて高度な視覚シミュレーションを応用した新たな治療法の確立を目指したプログラム医療機器を開発する。抑うつ気分を持続させる要因の「反すう思考」の背景にある感情や考え方から距離を置く第三世代認知行動療法へのアプローチを基盤とした。臨床研究を実施しながら医療機器承認を目指す方針だ。

BiPSEEは、ＶＲ技術と医学的エビデンスに基づいた精神疾患治療向けの「VRデジタル治療薬」の研究開発から製造販売まで行うMedTechスタートアップとして2017年に設立した。心療内科医の松村雅代氏が代表取締役CEOを務める。

同社は、ネガティブな感情や事柄に対して繰り返し考えてしまう「反すう」という症状に着目し、ＶＲ空間での没入やインタラクションにより、反すうを抑制するために必要な自己肯定感を醸成するＶＲデジタル治療薬の開発を進めている。すでに高知大学医学部と共同研究を行っており、同病院で臨床試験を進めている。

今回の業務提携契約を踏まえ、Meiji Seika ファルマは、BiPSEEが実施する薬事承認取得に向けた研究開発をサポートする。両社は、「ＶＲデジタルソリューションの創出と提供を通じ、一人ひとりの患者と向き合い、こころとからだの健康に貢献したい」と強調した。