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科研製薬 創薬ベンチャーのアーサム社を買収、最大127億円相当で 2つの開発品など獲得

公開日時 2021/12/01 04:50
科研製薬は11月30日、国内の創薬バイオベンチャーのアーサムセラピューティクス社(横浜市、長袋洋CEO)を買収すると発表した。買収額は最大127億2200万円相当となる。科研は、難治性脈管奇形を対象疾患に開発中のPI3Kα阻害薬「ART-001」と、水疱性類天疱瘡で開発中の経口PDE4阻害薬「ART-648」の2つの開発品を獲得。いずれも現在、第2相臨床試験段階にある。買収後はアーサム社と協力して開発を進め、将来のグローバル展開も目指す。

科研は皮膚科や整形外科でのプレゼンスを高めており、中長期の持続成長に向けて開発パイプラインの充実に取り組んでいる。今回獲得したART-001は形成外科領域、ART-648は皮膚科領域の開発品で、科研の事業戦略の方向と重なる。

2つの開発品とも第2相試験は両社共同で進め、試験が成功した際には科研が日米欧での承認取得に向けた第3相試験をはじめとする研究開発活動を引き継ぐ。

◎現金55億円と、開発の進捗に応じて科研株式を交付

アーサム社の買収は、55億円の現金と、2つの開発品のマイルストン達成時に最大72億2200万円相当の科研の普通株式を交付することで行う。買収は12月13日付で実施する予定。科研はこの日に55億円を支払い、科研のアーサム社における議決権保有割合が100%となるようにする。

マイルストンは4つからなり、▽ART-001の現行の第2相試験の成功▽ART-001の第3相試験の開始▽ART-648の現行の第2相試験の成功▽ART-648に関する少なくとも米国での第3相試験の開始――となる。マイルストンの達成に応じて、あらかじめ決められた科研の普通株式を交付する。

アーサム社は武田薬品からスピンアウトして創業された企業で、2018年7月に設立された。ドラッグリポジショニングを得意とし、もともとART-001は進行性固形がん、ART-648は糖尿病をターゲットとしていたという。科研は今回、開発品の獲得とともに、アーサム社のドラッグリポジショニングのノウハウも獲得することになる。このため科研は、「ドラッグリポジショニングに関わる技術や経験を当社が保有する既存化合物に適用する等のシナジー効果を実現し、当社の研究開発能力の更なる向上を図る」としている。
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