富士フイルム アビガンの新型コロナの国内第3相試験 終了は「数か月遅れる」 患者減で
公開日時 2021/11/05 04:50
富士フイルムホールディングスの岡田淳二取締役は11月4日の2021年度第2四半期決算会見で、アビガンの新型コロナウイルスを対象とした国内臨床第3相試験が、当初予定より遅れていることを明らかにした。アビガンをめぐっては薬食審・医薬品第二部会で審議されたが、単盲試験であることに疑義があがり、継続審議となっていた。これを踏まえて4月から試験を開始したが
(記事はこちら)、患者数が減少するなかで、「(試験終了は)もともと秋ごろを想定していたが、数カ月ぐらい遅れる見通し」と説明した。
現在実施している臨床第3相試験は、「発熱などの症状発現から72時間以内、かつ基礎疾患や肥満などの重症化リスク因子を有する50歳以上の患者」を対象とした二重盲検プラセボ対照試験。酸素療法が必要となる重症化した患者の割合を主要評価項目に据え、有効性・安全性を検証している。目標症例数は316例。同社はこの試験の開始時に、「結果がまとまり次第、データを追加提出する」とコメントしていた。厚労省もこれまでに、追加データが提出されたらPMDAで再度審査した上で、医薬品第二部会で改めて審議する方針を示している。
◎米国での第3相試験結果、1カ月以内に判明 厚労省に追加提出へ
米国での開発は、提携先のカナダのバイオ医薬品企業アピリ・セラピューティクス社が進めている。岡田氏は、「すでに組み入れは終わっている。比較的近く、ここ1か月というタイミングで結果が出てくると考えている」と述べ、米国での第3相試験結果が今後1カ月程度で判明するとの見通しを示した。富士フイルムは、米国での試験結果も厚労省に追加提出する予定としている。