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ファイザー 「チャンピックス錠1mg」の一部ロットを自主回収(クラスⅡ) ニトロソアミンを検出

公開日時 2021/07/29 04:51
ファイザーは7月28日、禁煙補助薬「チャンピックス錠1mg」の一部から社内基準値を超えるN-ニトロソバレニクリンが検出されたとして自主回収(クラスⅡ)すると発表した。N-ニトロソバレニクリンはニトロソアミン類に分類される化合物で、長時間にわたり許容範囲を超えて接種すると発がん性のリスクを高める可能性がある。ただ、同社が定める社内基準(投与期間24週・最大5回投与)を超えて当該製品を一定期間投与した場合であっても発がんリスクは低いとしており、「重篤な健康被害のおそれはないと判断している」とコメントしている。

自主回収するのは、製造番号「EP9481」のチャンピックス錠1mg(28錠PTP)で、21年5月6日に出荷を開始した。使用期限は23年4月。出荷数量は1万5935箱。

ニトロソアミンの混入については、欧米の規制当局から製薬各社に対し、リスク評価に関する指示が出されていた。ファイザー本社はこれを受け、ニトロソアミンのリスク評価(ICH-M7・R1ガイダンス)を進めたところ、日本を含む他国に出荷した当該製品から社内基準値を超えるN-ニトロソバレニクリンが検出され、今回の自主回収に至った。

ファイザー本社は、今回の検出を受け、各国で販売された製品および製造中のすべての製造番号品についてN-ニトロソバレニクリンの定量試験を実施する方針。これに伴い定量試験の結果が得られるまでの予防的措置として、製品の出荷を一時保留することも明らかにした。

◎「発がんリスクは理論上ある」が、使用実態等を踏まえると重篤な健康被害はない

健康被害について同社は、「N-ニトロソバレニクリンを⻑期間にわたり継続摂取することにより、がん発症リスクが理論上では増加する可能性がある」としながらも、「使用実態及び当該製品使用に関するリスク分析結果を踏まえると、当該社内基準値を超えた本製品を一定期間投与した場合での生涯における発がん性のリスクは低く、重篤な健康被害の恐れはない」と判断しているとした。なお、同製品は15年以上の販売実績があるが、同社は「これまで国内外において本製品の投与による発がん性を示唆する事象は認められていない」としている。
 
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