日医工・米子会社 新型コロナ外来患者対象のカモスタットのフェーズ2 主要評価項目達成せず 開発中止に
公開日時 2021/07/06 04:50
日医工は7月5日、連結子会社の米Sagent Pharmaceuticals, Inc.(以下、セージェント)が実施していた新型コロナウイルス陽性のハイリスク外来患者に対するカモスタットメシル酸塩(先発製品名:フオイパン)の臨床第2相試験の結果、主要評価項目を達成することができなかったと発表した。セージェント社は、新型コロナの治療を目的としたカモスタットメシル酸塩の開発中止を決定したとしている。
多施設無作為化二重盲検プラセボ対照第2相臨床試験「CAMELOT」は、新型コロナ陽性で重症化の高リスク要因となる少なくとも一つの基礎疾患を有する外来可能な被験者295例が対象。カモスタット投与群とプラセボ投与群にわけ、有効性と安全性を検討した。
同社によると、主要評価項目に設定した28日後の入院率+死亡率の疾患進行を見た複合エンドポイントについて統計上の有意差を確認するには至らなかったとしている。なお、安全性上の懸念事項は確認されなかったという。
同社は、「今回の結果は誠に遺憾だが、当社ならびに セージェント社は同試験が新型コロナの治療法確立のための知見蓄積に貢献できましたことを誇りと考えている」とコメントしている。